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「クラウド時代には開発者の役割も大きく変わる」--MS、Tech・Edでクラウド開発への取り組みを促す

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 マイクロソフトは、8月25~27日の3日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜において、「Tech・Ed Japan 2010」を開催している。Tech・Edは、全世界の主要各国でマイクロソフトが開催する技術者向けのテクニカルカンファレンス。16回目の開催となる今年は、 「次世代クラウドの真髄がここに」 をテーマに、7つのトラックに分かれた70タイトルの講演、セッションなどで構成されている。テーマ通り、クラウドコンピューティングにフォーカスした内容だ。

 同社によると、参加者のプロフィールは、IT関連の業務経験が5年以上の参加者が全体の82%、ITプロフェッショナルが参加者全体の41%などとなっており、今回の参加者は約2000人を見込んでいるという。

大場章弘氏 マイクロソフト執行役、デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏

 初日となる25日の午前中に行われた基調講演では、マイクロソフト執行役、デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏が「現実解としてのクラウドを支える最新テクノロジ」をテーマに、同社が次世代プラットフォーム戦略の柱と位置づけるクラウドコンピューティングへの取り組みや、すでにクラウド対応を実践しているユーザーやパートナーの具体的な取り組みを紹介し、本格的な利用フェーズに入ったクラウドの現状を、デモストレーションを交えながら解説した。

 冒頭、大場氏は「(Microsoftの現チーフソフトウェアアーキテクトである)Ray Ozzieのメモによって、“Software+Services(S+S)”というマイクロソフトの方向性が明確にされた。それ以降、PDC 2008でAzureが発表されるなどの経緯を経て、今や多くのお客様が現実的なものとしてクラウドを活用する段階に入ってきた」として、具体的な事例を紹介した。

 大場氏が示したのは、日本全国を涌かせた夏の高校野球大会の全試合生中継を「Silverlight」を利用してリアルタイムストリーミング配信した事例や、ビジュアル検索や電子書籍、出版などのインフラとしてWindows Azureが実際に利用されていることなどだ。さらに、企業における導入事例としては、Business Productivity Online Suite(BPOS)とWindows Azureを活用したセキュアなコラボレーション環境を実現したバンテックの事例、プロジェクト案件の予実管理システムとして導入したパソナの事例などをビデオを通じて紹介した。

 「BPOSに関しては、すでに日本国内で25万人以上が利用。BPOSパートナーも国内で400社を突破した。BPOSは、当初はクラウド型コラボレーションツールと見られていたが、数万人規模のグループウェアとして、あるいはLotus Notes/Dominoからの移行、Windows Phoneとの連動という点に期待した導入が増えている」(大場氏)という。

 また、Windows Azureを介護・医療・保育の現場で活用している事例として、ブルーオーシャンシステム社長の岡本健治氏がゲストで登場した。岡本氏は、「忙しい介護の現場において、各種記録などを容易に入力できるシステムとして、またそれを低コストで導入できる点でAzureは利用に耐えうるものと判断した」と採用理由を語った。

 さらに、日本電子計算、営業統括本部金融営業部部長の谷藤一氏が、金融分野におけるAzureの活用事例として、CP(Commercial Paper)発行における企業と金融機関の金融取引をクラウドで提供する「CP Communicator」を紹介した。「CP発行における金融取引において、クラウドを利活用する日本で最初の事例になる。金融機関ではパブリッククラウドに対する懸念を持っているが、自社に置くデータと、パブリック環境に置くデータとを切り分けるハイブリッド型の考え方によって、この懸念を払拭した」という。

マイクロソフトが示すクラウドテクノロジのロードマップ マイクロソフトが示すクラウドテクノロジのロードマップ(画像クリックで拡大表示)

 大場氏は「今日の時点で、いよいよAzure対応アプリケーションが5000を超えた。これは米国に次いで2番目の規模になる。また、過去半年間に渡って、SQL Azureのデータベースサイズを50Gバイトに拡張し、.NET Framework 4環境の実装、Windows Azure OS 1.5によるOSの機能強化といったことにも取り組んできた。一方で、マイクロソフトのAzureには、日本にデータセンターがないといった声や、アプリケーション構築まで含めて対応してもらいたいという要望も出ている。そこはマイクロソフトだけでは対応できないと考えており、パートナーとの連携が必要。パートナーのビジネスチャンスを生み出すことにもつながる」とした。

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