マイクロソフトが計画を変更し「PDC 10」を開催へ--フォーカスはクラウド

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年07月15日 10時39分

 Microsoftは2010年、開発者向け年次カンファレンス「Professional Developers Conference(PDC)」を開催しないことにしていた。だが、同社はこの計画を変更し、本社のあるワシントン州レドモンドで10月28日と29日にPDC 10を開催すると発表した。

 だが、PDC 10は例年とは違うPDCになる。まず、Windowsというよりクラウドコンピューティングにほぼ全面的にフォーカスしたものとなる。次に、ライブとオンラインを組み合わせた形式をとる。ライブでの参加者は1000人程度に制限し、残りはウェブキャストで基調講演やセッションを視聴することになる。

 これまで通り、開発者とITプロフェッショナルを対象とするが、PDC 10ではオンプレミスと/あるいはプライベートとパブリッククラウドで動くアプリケーションの開発を重視する。

 サーバ・クラウド事業部担当シニアバイスプレジデントのAmitabh Srivastava氏によると、Microsoftは先に構想を明らかにしたWindows Azureの「Windows Server Virtual Machine Roles on Azure」の現状について話をする予定という。Srivastava氏はまた、「Project Sydney」--オンプレミスとクラウドサーバを接続するIPv6技術--の情報も出てくる予定だと述べた(Microsoftは2009年、Sydneyは2010年内に完成すると述べていた。PDCまでにベータが登場する可能性があると予想する)。

 「IT(プロフェッショナル)は、インフラ・アズ・ア・サービス、プラットフォーム・アズ・ア・サービス、ソフトウェア・アズ・ア・サービスを望んでいる」とSrivastava氏。「AzureはMicrosoftのサービス戦略のプラットフォームとなる。VM Roleはインフラ・アズ・ア・サービス戦略のプラットフォームとなる」と続けた。

 VM Roleはクラウドでオンプレミスアプリケーションを動かすのに役立つ機能だが、この方法でホスティングされるアプリケーションはマルチテナント対応ではない。

 Microsoftはまた、Azureが提供する土台となるシステム管理のAPIについても話をする予定だ。このAPIにより、顧客やパートナー企業はAzureベースのクラウドを管理するのにサードパーティのソリューションを利用できる。Srivastava氏によると、PDC 10ではAzure APIで利用できるツール技術についての話もあるとのことだ。

 Microsoftは米国時間7月11日より開催中の「Worldwide Partner Conference(PDC)」で、「Azure Platform Appliance」--事前設定済みのAzureサーバコンテナ--を2010年中に提供すると発表した。ここで同社は、Dell、富士通、Hewlett-Packardと提携している。Microsoftは、eBayも2010年内にAzureアプライアンスを提供する予定と述べている。

 「Azureがわれわれのデータセンター内にあるということは重要になる」とeBayの技術担当バイスプレジデント、James Barrese氏は言う。eBayは複数のデータセンターを利用しており、セキュリティとデータ遅延の理由からそのままにしておかなければならない、とBarrese氏は述べる。

 「Microsoftはわれわれが経験したようにAzureプラットフォームを変更することに前向きで、われわれが行ったこと全てから学んでいた。われわれはインターネットの小宇宙だ」とBarrese氏は述べた。

 eBayはPDC 10にも出席するのではないかとわたしは予想している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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