もちろん、どのメーカーも完全に負けたわけではない。常に競争の余地は残されている。Appleが独占する市場ではなおさらだ。Appleには、顧客には哀れなまでの強い愛着を抱かせる一方で、批判的な人々からは強烈な怒りを買うという傾向がある。しかし、この市場も非常に新しく、また「Android」やwebOS、「BlackBerry OS」のタブレットバージョンに何ができるのかはまだわかっていない。
6カ月後、年1回のConsumer Electronics Show(CES)がラスベガスで開催された直後には、タブレット市場の勢力図は今と大きく変わっているだろう。CESでは、iPadによく似たデバイスがいくつも発表される見込みだ。しかしAppleとの差を縮めようとするならば、発表予定の製品すべてがするべき重要なことがある。それは、タブレット向けOSを見つけること、優れたハードウェアを組み合わせること、そしてアプリケーションデベロッパーを味方にすることだ。
競合メーカーがAppleに追いつくのに時間がかかった理由の1つは、独自のタブレット対応OSを持っていないことだ。IDCのアナリストSusan Kevorkian氏は、Appleの競合メーカーにとって、さまざまな部品を組み合わせて、iPadに対抗しうるデバイスを作り上げるのは「難しく時間のかかる」ことだったとはいえ、「全体を左右していた要素は主にOSだった」としている。
RIMとPalm(現在はHPの傘下)は独自のOSを管理しているが、それについては後述する。既に発表されているタブレットの大部分(Dellの「Streak」とサムスンの「Galaxy Tab」、ASUSの「Eee Pad」)は、Googleが開発した無料のモバイルOS「Android」を採用している。Androidのタブレット向けに最適化されたバージョンはまだないが、近々発表される見込みだ。「Gingerbread」という開発コード名の「Android 3.0」が10月から12月の間に発表されれば、Googleのアイデアを目にすることになるだろう。
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