インターネットサービスセクターの主力銘柄の決算発表が出そろった。一部の例外を除いて絶好調。アナリストなど市場関係者の評価も上々。ただ、株価は下落基調が継続している。小型株市場に何が起きているのか。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手では明暗が分かれた。まずマーケットに大きなインパクトを与えたのは「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エー。7月30日に2011年3月期第1四半期(4〜6月)決算を発表。連結売上高が前年同期比174.6%増の241億9300万円、経常利益も同266.9%増の119億5200万円となった。収益力の高いソーシャルゲームが急拡大しており、関連売上高が増加。四半期ベースで過去最高の利益を計上した。特筆すべきは利益率の高さ。4〜6月の経常利益率は49.4%(前年同期は37%)となっており、売上高の半分が利益となっている。
主力ネット株のしんがりを務める格好で8月13日に2010年6月期決算を発表した「GREE」のグリーも絶好調。売上高は352億3100万円(前期比152.6%増)、経常利益は195億9500万円(同135.3%増)と急拡大基調が続いており、2011年6月期業績についても売上高の予想レンジを540億円〜600億円(前期比53.3%増〜70.3%増)、経常利益270億円〜300億円(同37.8%増〜53.1%増)と示した。毎期増額修正を発表するなど、保守的な予想数字を示すことで知られる企業だけに、ここからの上ぶれも期待できそう。決算発表とともに1株を5株とする株式分割の実施も発表している。
一方で「mixi」を運営する最大手ミクシィへの評価は低いまま。2011年3月期第1四半期(4〜6月)決算時に9月中間期業績予想の上方修正を発表したが、修正幅は連結経常利益で10億3000万円から13億3600万円と小さく、通期の業績予想は据え置き。「mixiアプリ」の収益貢献度が期待値以下で、同業他社比較での見劣り感が大きい。9月には新プラットフォーム構想の詳細を開示する予定であり、一定の期待感は残るが、目先の機動力が収益にダイレクトに反映してくるインターネットサービスセクターにおいて中長期的な視点からの「種まき」ばかりをしているミクシィは異端児の感すら出始めている。
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