ディー・エヌ・エー(DeNA)は7月30日、2011年3月期第1四半期(4〜6月)の連結業績を発表した。モバゲータウンでのソーシャルゲーム関連売上が好調で、売上高は前年同期比2.7倍。売上、利益ともに過去最高を更新した。
2011年3月期第1四半期の売上高は前期比27%増の241億9300万円、営業利益は同22%増の119億8900万円、経常利益は同21%増の119億5200万円、純利益は同34%増の65億2600万円。成長の牽引役はモバゲータウンを中心としたソーシャルメディア事業で、今期の売上高は全体の約8割を占める205億7800万円に達した。
そのなかでもモバゲータウンのソーシャルゲーム関連売上は159億2800万円を占める。DeNAが内製したゲーム、外部のデベロッパーが提供するオープンゲームがともにユーザーから支持されているという。パートナーとなったデベロッパーの数は154社で、タイトル数は350にのぼる。モバゲータウン内で使える仮想通貨「モバコイン」の1日あたりの消費高は1月と比較して11倍に伸び、アイテム課金が引き続き好調だ。
モバゲータウンの平均日次ページビュー(PV)は6月が23億8000万で、5月から横ばいとなった。ユーザーの年齢属性は30代以上が増え、10代が26%、20代が42%、30代以上が32%という年齢構成になった。30代以上のユーザーはソーシャルゲームを投入する前の2009年9月と比較すると6ポイント伸びている。
今後の戦略の中心はソーシャルゲームのプラットフォーム展開だ。携帯電話から利用するモバゲータウンに加え、10月にオープン予定のPC版「Yahoo! モバゲー」、年内提供予定のスマートフォン版モバゲータウンを揃え、デバイスをまたいだプラットフォームを実現する。さらに英語圏向けの「MiniNation」、中国向けの「WAPTX」など海外展開も進めている。
DeNAが目指すのはソーシャルゲームにおけるグローバルナンバーワン企業だ。代表取締役社長兼CEOの南場智子氏はこの目標について、「現実的で、すでに近いポジションにいる」とコメント。モバイルのソーシャルゲームではすでにナンバーワン企業であるとの認識だ。
「戦略の中心はプラットフォームだが、それを強めるために自前のソーシャルゲームも提供していく。コミュニティ運営とマネタイゼーションでは強固な実績とノウハウを持っている。今後は資金力を活用し、M&Aや投資も進める」(南場氏)。プラットフォーム展開、ソーシャルゲームの企画力、豊富な資金力を活かし、ソーシャルゲームにおけるグローバルナンバーワン企業へ歩みを運ぶ。
2011年3月期上期の連結業績予想は売上高は前年同期比187%増の500億円、営業利益は同285%増の240億円、純利益は279%増の133億円を見込んでいる。「通期売上高1000億円、利益500億円の会社になりつつあるが、これも通過点。数千億円の売上規模、1000億円代の利益を出す企業になることを目指す」と南場氏は語った。
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