ミクシィは8月4日、2011年3月期第1四半期(4〜6月)の連結業績を発表した。ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」で提供するmixiアプリ関連の売上が広告、課金ともに拡大した。
2011年3月期第1四半期の売上高は前年同期から31.2%増加して40億1300万円、営業利益は同23.8%増の10億7400万円となった。経常利益は10億2900万円(同17.8%増)、純利益は4億7500万円(同3.1%増)だった。
売上高40億円の内訳はmixi事業が38億4200万円で95.7%を占めた。Find Job!事業の売上は1億7000万円だが、ソーシャルアプリケーションプロバイダ(SAP)事業者を中心にインターネット業界の求人需要は回復傾向にあるという。
mixi事業は広告売上が32億7200万円。mixiモバイルのアプリ広告が好調で、約3億4000万円の売上だった。課金売上は5億7000万円で、このうち約3億3000万円がmixiアプリの課金によるものだ。mixiペイメントプログラムに対応しているアプリは6月30日時点で119個。mixiアプリは広告、課金ともに収益性が向上しているという。現在提供されているmixiアプリの数は約1500前後とのこと。
mixiアプリの提供当初は急増するページビューに対し、売上が追いついていなかったが、第1四半期は上昇した。1ページ当たりの広告価値は1月時点でPC版が0.062円、モバイル版が0.022円に落ち込んだが、6月にはPC版が0.088円、モバイル版が0.029円に持ち直した。
mixiの登録ユーザー数は7月31日時点で2102万人。7月の月間ログインユーザー数は1430万人だった。月間ページビューはモバイル版が245億4000万PV、PC版が52億3000万PVの合計297億7000万PVだった。mixiボイスやmixiフォトのリニューアル、mixiカレンダーの提供開始など、基本機能を強化したことでログインユーザーは順調な伸びを示している。
mixiアプリ以降、モバゲータウン、GREE、ハンゲームなどがソーシャルアプリケーションのプラットフォームを相次いで公開した。競争が激しくなっている同市場についてミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は、「mixiはヤフーモバゲー、ハンゲーム、モバゲータウン、GREEらとは一線を画しているので意識はしていない。ユーザーの利用モチベーションや求めているものが違い、まったく異質なサービスとして共存していける」と話した。
「弊社は先駆けてプラットフォームを開放した会社として、ソーシャルアプリケーションプロバイダがビジネスをしやすいように各プラットフォーム間の仕様について調整したり、アドバイスしたりする立場にある。共通化したほうがプロバイダのためになることから、むしろ協力しあっていきたい」(笠原氏)
9月10日にはmixiアプリに続くプラットフォーム構想の第2弾として、「mixi新プラットフォーム」(仮)を発表する予定だ。これまでミクシィ年賀状やウィジェットなどのように、ミクシィと外部企業が何らかの契約を結んで実施してきた連携を、誰でもオープンに実現できるようなAPIを公開するという。
ディー・エヌ・エーやグリーが驚異的な売上を達成するなか、ミクシィはあくまでも「売上と利益は一番最後についてくる指標」という姿勢だ。「それよりもサービスの質を高めていくところにリソースを注いでいる状況。いまはログインユーザー数の拡大を見てほしい。そこが重要な指標であると認識している」と笠原氏。「正直、やろうと思えばいつでも利益はあげられる」と強気の発言も飛び出した。
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