Googleチームは自分たちのバージョンをオリジナルに忠実なものにすることに強くこだわったため、極めて熱心なパックマンプレーヤーでなければ知らないような、非常に小さな操作感までも再現した。Wichary氏はその例として、オリジナルのゲームでは、ゴーストの目の動きから、ゴーストがこれからどの方向に曲がるかがごく微妙にわかるようになっていたことを挙げている。この点もGoogleバージョンで再現されている。またパックマンは角を曲がるときに数ピクセル内側を通れるのに対してゴーストは完全に直角にしか曲がれないという特性も同じく再現されている。
さらにWichary氏は、オリジナルのゲームが「決定論的」だった点を指摘している。これは、プレーヤーが攻略パターンを記憶して発展させることができるという意味だ。Googleバージョンはこの点も再現しており、ある程度の時間真剣にプレイすれば、最もうまくいくパターンを割り出して大きく進歩できるようになっている。
「Googleは多くの作業人日をかけて、パックマンに含まれるシンプルな要素を再現した」。久恒氏は、コーヒーブレイクと256面でのバグについてこのように述べた。
Germick氏の説明によれば、Googleでは、Doodleチームは常にGoogleトップページが「楽しい場所」であるようにする方法を模索しており、パックマンプロジェクトのアイデアを考え付いたとき、「社内の説得はあまり必要なかった。それを見れば皆『すごい』というような反応だった」という。
パックマンのGoogleバージョンを完成させるまでには数カ月かかったが、「とても楽しく、童心に返る体験だった」ため、実際にプロジェクトに注ぎ込んだ時間を測ることは難しい、とWichary氏は述べている。
実際、Wichary氏がこの取り組みに参加した最大の理由の1つは、他の人たちにも童心に返った気持ちになってほしかったからだという。
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