Mozilla FoundationとGoogleには、互いに関連する2つのプロジェクトがある。それぞれ、ハードウェアアクセラレーションによる3Dグラフィックスをウェブにもたらすという似たような目標があり、Googleが戦術を変更した結果、協力を始めているようだ。
2つのプロジェクトとは、Googleの「O3D」ブラウザプラグインと、MozillaとKhronos Groupから提案されているWebGL標準で、どちらも2009年のほぼ同じ時期に登場した。Khronos Groupは、WebGLの基盤となるグラフィックインターフェースOpenGLを標準化している。O3Dがより高レベルのテクノロジであるのに対し、WebGLは3Dグラフィックスのより基本的な部分に関係している。
ただし、O3Dはここ数カ月間休眠状態にある。とはいえ、O3Dが消滅しつつあるというわけではない。Googleは、WebGLを基盤にしてO3Dを再構築することで、このプロジェクトに新しい息吹を吹き込もうとしているのだ。
これは何を意味しているのだろうか。MozillaとGoogleにとって、プロジェクトへの注目をめぐって競争するのではなく、協力することを意味する。個別にではなく協力して取り組むことで、それぞれのプロジェクトが互いに補強し合うことになる。
ひいては、ウェブ上の3Dグラフィックスで期待されているものを、実用化に近づける助けになるだろう。つまり、ウェブ上の3Dグラフィックスが、ブラウザでサポートされたり、プログラマーがゲームやより高度なアプリケーションなどの場面で利用したりする可能性が高いものになる。忘れてならないのは、オンラインサービススイート「Google Apps」やブラウザベースのOS「Google Chrome OS」が、Googleにとって、ウェブをできるだけ強力なアプリケーションの基盤にすることの強い動機になっていることだ。
しかし、不確実な点もある。大きな問題の1つは、3Dゲームで重要となるパフォーマンスだ。もう1つは、もともとのO3Dの機能のうち、どのくらいを新しいアプローチに移行させるかということだ。
Googleはこの話について具体的なコメントをしようとしない。広報担当者のEitan Bencuya氏は、「われわれはウェブ上の3Dを強く支持しており、この機能をO3DやWebGLなどのテクノロジによってブラウザに組み込もうと努力している。しかし現時点では、新たに発表することは何もない」としている。
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