Google傘下のYouTubeとViacomの間で10億ドルの損害賠償請求額を巡って激しく争われている著作権訴訟に関して米国時間3月18日、いくつかの裁判所提出文書が公開された。これらの文書が示しているのは、3年間続く同訴訟が連邦裁判所で紆余曲折を経ながら進行する中、両社の距離が依然として遠く離れているということだけだ。
Viacomは108ページに及ぶ提出文書の中で、YouTubeの創業者たちを、法律に従うことよりも自社サイトへのトラフィックを増やすことの方をはるかに気に掛けていた見境のない著作権侵害者として描いている。Googleは2006年10月に17億ドルでYouTubeを買収しているが、Viacomの提出文書によると、そのGoogleの幹部でさえ、疑わしい著作権取り扱い慣行を通じてサイトを構築することの倫理性に疑問を抱いていたという。
しかしGoogleが提出した100ページの文書では、おそらく驚くにあたらないことだろうが、話が違っている。同文書でViacomは、裏表のある振る舞いをしようとする巨大メディア企業として描かれている。というのも、ViacomはYouTubeに動画を取り下げるように要求しながら、その裏で第三者がViacomに代わって同社コンテンツをアップロードしていたとされている。さらに興味深いことに、同文書によると、MTVとParamount Picturesの親会社であるViacomが、YouTubeの買収に関心を示していた時期があったという。
「YouTubeを買収すれば、MTV NetworksとViacomに大変革をもたらすことになり、われわれはすぐに、オンライン動画の提供で世界をリードすることになると思う」。Googleが裁判所に提出したViacomの社内資料にはこう書かれている。
これらの文書自体は興味深いものかもしれないが、今回の証拠開示がどちらにとって有利になるのかは不透明だ。Googleは、自社が米デジタルミレニアム著作権法のセーフハーバー条項によって保護されていると主張している。同条項を簡単に説明すると、ウェブサイトが著作権で保護されたコンテンツについて知ってからすぐに誠意を持って対処して当該コンテンツを取り下げ、かつ広告などの手段により金銭的利益を得ていない場合は、訴訟から保護されるというものだ。Viacomは、YouTubeの従業員が少なくとも同サイトでの著作権侵害の横行を知りながら、それについてほとんど何もしなかったことを証明して、その保護を突き崩そうとしている。
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