携帯電話メーカーのHTCは、Appleが起こした特許侵害訴訟に対して抗戦する準備が整っていることを明らかにした。
Appleは2010年3月に入って、同社の保有する「iPhone」に関連した20の特許を侵害しているとして、HTCを提訴した。HTCは、Googleの「Android」OSおよびMicrosoftの「Windows Mobile」を搭載する携帯電話を製造している。
HTCは米国時間3月18日、同社の対応方針を正式に発表した。
HTCの最高経営責任者(CEO)であるPeter Chou氏は声明を出して「HTCはAppleの取った行動に賛同することはできず、徹底的に抗戦する方針である。HTCは知的財産権の保護を強く擁護し、これまで常にしてきたように、今後も他の革新的なメーカーや技術を尊重していくつもりだ。しかしながら、消費者が最高のモバイルエクスペリエンスを手に入れられるように、健全な手法により、われわれの革新を通じた競争も受け入れていく方針である」と述べた。
Appleは、iPhoneのグラフィカルユーザーインタフェースや、iPhoneのハードウェアならびにソフトウェア設計と関連した特定の特許を、HTCによって侵害されたと主張している。同社は解決策として、HTCが特許を侵害している疑いのある製品を米国内に輸入して販売できないようにする差し止め命令を求めているほか、詳細な金額は明らかにされていないものの、損害賠償の支払いも求めている。
米国際貿易委員会(ITC)に提出された訴状には、Googleが直接販売を手がける「Nexus One」を含む5種類のAndroidをOSに搭載する携帯電話と、MicrosoftのWindows MobileをOSに採用した7種類の携帯電話が列挙されている。
HTCは提訴を受け、同法的措置に関して、まったく不意をつく提訴であるとの見方を示し、訴状の内容を十分に検討してから正式な声明を出す方針を明らかにしていた。今回の提訴に対しては争うことを約束しつつ、Chou氏は、HTCの「革新の歴史」についても語っている。
「まさに設立当初より、HTCは、スマートフォンを求める人々へ独特の価値をもたらす最先端の革新性の創造に注力してきた。われわれは1999年に、初のタッチスクリーンを採用したスマートフォンである『XDA』および『T-Mobile Pocket PC Phone Edition』の開発に着手し、どちらのモデルも2002年に出荷されており、それ以来、他に50以上の機種のHTC製のスマートフォンが出荷されてきた」と、Chou氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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