米国時間3月9日に報じられたアナリストの報告によると、HTCがAppleから起こされた特許侵害訴訟は「寝耳に水」ではなかったという。
Appleは2010年1月、競合する携帯電話メーカー数社の幹部への接触を開始し、「iPhone」に関連する技術を侵害しているものに対して法的措置を検討していると警告していたと、OppenheimerのアナリストであるYair Reiner氏が調査報告に書き、Fortuneがこれを最初に伝えた。Reiner氏は、複数の業界筋に「確認」をとってこの件を知り、Appleの警告によりiPhoneの将来のライバル数社が開発計画の変更を余儀なくされた例も実際あったようだと述べているが、具体的な社名は明かしていない。
だが、Appleの警告に従った数社に、台湾の携帯電話メーカーHTCが含まれなかったのは明らかだ。同社に対し、Appleは3月2日、20件を超えるiPhone関連特許を侵害しているとして提訴した。
提訴に際し、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は声明で次のように述べた。「われわれは、特許が認められた自社の発明を競合相手が盗むことについて、静観することも、行動を起こすこともできる。今回の件では行動することに決めた」。しかし実際には、Appleは1年以上前から競合各社に警告していた。療養休暇中のJobs氏の代わりを務めていた最高執行責任者(COO)のTim Cook氏が、決算会見で単刀直入に発言した時期だ。同氏は「われわれは知的財産(IP)が盗まれるのを耐え忍ぶつもりはない」と述べ、Appleが「使える武器は何でも」使ってそれを阻止する、と宣言した。Cook氏はその際、特定の社名を挙げることを避けたが、大勢からは、Palmの新しい「Palm Pre」に向けられたものだと解釈された。同製品は、Palmに雇われたAppleの元エンジニアが設計を担当した。
Reiner氏が取材した業界筋によると、Cook氏の発言がもっと広い範囲に向けられていたことが、今回明らかになったという。Appleの警告は、競合する多くのスマートフォンメーカーの役員室に響き渡った。「ライバルのソフトウェアチームとハードウェアチームは、回避策を求めて最初から練り直している。弁護士らは、将来的に防戦するか、攻勢に出るか、それぞれの対応を評価する取り組みを強化している。一方で戦略チームは、リスク防止に一層配慮したOS戦略の計画立案に取り組んでいる」(Reiner氏)
Appleに対し、Reiner氏の報告についてコメントを求めたが、返答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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