インターネット検索と検閲をめぐるGoogleと中国政府の協議は「まもなく」決定に至ることになると、Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は現地時間3月10日に述べた。
Schmidt氏は、アラブ首長国連邦のアブダビで開催されたメディア会議で語り、一連の協議の現状に関する詳細を明らかにするのは拒んだものの、「具体的な予定はない」とはいえ、まもなく決定が下されることになるとの見解を示したことが、Associated PressおよびThe Wall Street Journal(WSJ)によって報じられた。Googleは1月に中国政府との対決姿勢を見せ、中国における検索結果の検閲を廃止する意向を表明して、それが受け入れられない場合には中国で検索エンジンの提供を終了する可能性も示唆した。
それ以来、Googleと中国政府は一連の協議の進捗状況について、ほとんど公表してこなかった。Googleが今回の行動を取るに至ったのは、同社や他の米国企業に対して仕掛けられたサイバー攻撃が引き金になったとされ、複数のセキュリティ専門家は、同攻撃が中国政府のために活動するハッカーによってなされたと見ている。
また、同攻撃により、世界中の国で支持されるべき「インターネットの自由」の概念を謳う新たなポリシーが米国政府によって打ち出されることになったものの、Schmidt氏は、Googleと米国政府が、それぞれ問題となっている件に関して中国政府との別個の協議に臨んでいることを明らかにした。
Googleは、世界最大のインターネット市場として成長を続ける中国からの撤退まで示唆しており、この代償は高くつくものとなる可能性がある。さらに、多数のプライバシー保護や人権擁護を訴える活動家が、1月にGoogleを支持する意向を示したため、検索と検閲をめぐる同社の主張が撤回されるならば、激しい反発を招く危険もあるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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