そして、米国政府とビジネスを行う企業は、リハビリテーション法第508条に従わなければならない。この条項は、政府機関に販売される電子および情報技術製品は障害がある職員を考慮して設計されなければならないこと、そして、契約業者によって提供される政府サービスは障害がある市民を同等に考慮しなければならないことを定めている。
しかし、結局のところ、これはビジネスだ。YahooのBrightman氏の試算によれば、身体障害者のために利用できる自由裁量支出は約2200億ドルあるという。できる限り多くの人がウェブサイトにアクセスできるようにすることは、道徳的に正しいことであるだけでなく、ビジネスの観点から見ても理にかなっている、と同氏は述べた。
さらに、世界の多くの地域、特に米国において高齢者が急速に増加しており、今日のベビーブーマー世代が年齢を重ねていくにつれて、アクセシビリティ要件は高齢者にとって役立つものになるだろう。Nielsen Companyによると、65歳以上の人のインターネット利用が増加しているという。そして、アクセシビリティのために設計された機能は、厳密な意味で障害者ではないがちょっとした助けをいやだと思わない人々の助けになるかもしれない。
ウェブアクセシビリティに取り組んでいる人々の直近の課題は、Googleなどのウェブブラウザ企業が現在協議している、さまざまな標準の集合体であるHTML5の完成を急ぐあまりに、アクセシビリティ標準がないがしろにされないようにすることだ。Brewer氏は、「HTML5がアクセシビリティを完全にサポートできるようにすることは、極めて重要だ」と述べる。そして、同氏のグループはその目標を実現するため、W3Cのほかの部会と密接に連携している。
しかし、その目標の先には、ウェブアクセシビリティの擁護者が自分たちのテーマについて楽観視できる理由がある。高度な音声認識のような長く待望されてきた技術が、そのような機能は2年もあれば実現できると冗談を言ってきた数十年間を経て、ようやく結実しようとしている。そして、WebAIMの調査では回答者の46%が、近年ウェブコンテンツはアクセシビリティが高まっていると答えた。
極めて重要な「Yahoo.com」ページの番人であるYahooのZakas氏は、次のように言う。「誰もが、このページ上のあらゆるものを利用できるべきだ。誰もが利用できるものでないのなら、それはここにあるべきではない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来