幸いなことに、こうした問題の大部分は、技術上の問題というよりはデザイン上の問題だ。デザイナーがこの原則を念頭においてデザインを始めれば、Flashなどを使って作成されたコンテンツでもアクセシビリティを高めることができる。
YahooホームページのプリンシパルフロントエンドエンジニアNicholas Zakas氏は「(ウェブデザインの中には)機能ではないものがたくさんある」と言う。つまり、追加の機能でページを好きなだけ飾り立てることはできるが、一方で基本機能として提供すべきものがある。「パフォーマンスは機能ではない。国際化も機能ではない。そしてアクセシビリティも機能ではない」(Zakas氏)
ただし、機能がウェブのアクセシビリティを高めることもある。前述のように、Googleは最近、YouTubeビデオ向けの自動字幕ソフトウェアを発表し、耳に障害がある人たちはこれまでよりずっと簡単に、かわいい猫たちのビデオの世界最大のコレクションを楽しめるようになった。
まじめな話として、自動字幕技術は当初、YouTubeの「Education」チャンネルに導入され、聴覚障害者や難聴者が遠隔学習プログラムなどの教育システムを活用できるようにした。これは明らかに未完成であるが(YouTubeにある、カリフォルニア大学バークレー校教授の講義ビデオで、「cc」タブ、左矢印、「Transcribe Audio」の順にクリックし、確認してほしい)、改良されれば、身体障害者が得ることのできる知識量を実際に増やせるかもしれない。
Googleの聴覚障害者向けソフトウェアのエンジニアであり、このプロジェクトを実現させるのに重要な役割を果たしたKen Harrenstien氏は次のように語る。「これが本当に欲しかったので、十分によいものだと思う。多少ひどい字幕があっても、わたしは気にしない」
企業は身体障害者がアクセスできるようにウェブサイトを制作しなければならない、と明示的に定めた法律は存在しない。しかし、身体障害の専門家やウェブ企業の多くは、1990年に制定された障害を持つアメリカ人法の一部が、ウェブがメインストリームの現象になる数年前に書かれているとしても、インターネットに適用されると考えている。
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