Mozillaは米国時間11月18日、「Firefox 3.6」の第3ベータ版をリリースした。最新ベータ版では安定性およびパフォーマンスの改善が図られており、まもなく初のリリース候補(RC)版向けにコードを確定する予定であることも明らかにした。
最新ベータ版には、他のソフトウェアがブラウザのコンポーネントと同じフォルダに入り込むことがないようにして、Firefoxと干渉することを困難にするコンポーネントディレクトリのロックダウン機能が含まれている。その結果として、クラッシュを減らすことができると、MozillaのJohnathan Nightingale氏はブログへの投稿に記している。とはいえ、Firefoxは依然として、正式なアドオンメカニズムを経由することでサードパーティー製エクステンションに対してオープンである。
Mozillaの別のプログラマーであるVladimir Vukecevic氏は、今回の変更点によってセキュリティも向上することになると説明を付け加え、自身のブログへの投稿で、この変更を「Firefox 3.5」にも加えていくことがMozillaで検討されていると記した。
Vukecevic氏は「OSや他のアプリケーションと連携するバイナリコンポーネントを作成するのは、非常にストレートなアプローチではあるものの、かなり危険でもある。バイナリコンポーネントはアプリケーションおよびOSへのフルアクセスを可能にするが、安定性、セキュリティ、パフォーマンスに影響を与えるものになる」と述べた。
Firefox 3.6の最新ベータ版に追加された他の機能としては、複数のウェブベースのJavaScriptプログラムを、スクリプトの実行順などに気を遣いすぎることなく非同期でブラウザから実行できる点が挙げられる。この機能により、ウェブページの読み込み速度が向上すると、Mozillaは述べている。
多くのユーザーが気づくFirefox 3.6で最大の新機能は、現在組み込まれている外観をカスタマイズ可能なアドオンの「Personas」である。Personas開発チームのSuneel Gupta氏およびMyk Melez氏は18日、これまでに1000万以上のPersonasがダウンロードされたことを明らかにした。
Mozillaは、Firefox 3.6の正式版を2009年内にリリースする予定で開発に取り組んでおり、開発プロジェクトが完了に近づいていることを示唆する兆候の1つに、開発者がRC1版に追加される機能や変更点を確定しようとしている点がある。RC1版に向けてコードを確定することは18日中に予定されてはいるものの、Mozillaの計画を示したサイトでは今週、そのスケジュールでの実現は困難かもしれないことが記されている。
Firefoxの利用は着実に増してきている。ウェブ分析企業のNet Applicationsは先週、世界中でFirefoxを利用するユーザーのシェアが25%を突破したと発表した。これによって、Internet Explorer(IE)がトップの座から滑り落ちるようなことは決してないものの、引き続きFirefoxの新規ユーザーは増加の一途をたどっている。Mozillaは、合計で3億人以上のFirefoxユーザーが存在しているとの見積もりを出しており、今週に入ってFirefox 3.6のベータ版を用いるテストユーザー数が30万人を超えたことも明らかにした。
一方、Googleの「Google Chrome」は、Firefoxの初期ユーザーでもあったブラウザに詳しいユーザー層に訴えるものとなっている。Chromeの最大のセールスポイントの1つにスピードが挙げられ、Googleは、ウェブの高速化を目指して、さまざまな他の手法にも取り組んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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