「Internet Explorer」からシェアを奪い続けているMozillaのオープンソースブラウザ「Firefox」が、この8週間で3000万人のユーザーを獲得した。
最高経営責任者(CEO)であるJohn Lilly氏は米国時間10月26日、「Twitter」への投稿で、ユーザー数が増加していることを明かした。そして、Mozilla EuropeのプレジデントTristan Nitot氏も27日、ZDNet UKに対し、それが事実であることを認めた。
「われわれは、Firefoxのユーザー数の大幅な増加を確認している」とNitot氏は述べた。「Firefoxは起動しているとき、24時間おきに新バージョンがあるかどうかをチェックする。そして、このチェック作業の際、FirefoxはMozillaサーバにpingを送信する。われわれは、その回数を数えているのだ」(Nitot氏)
Nitot氏の説明によると、要求の回数を数えることによって、MozillaはFirefoxの1日あたりのユーザー数を把握できるという。さらに、1カ月あたりのユーザー数は、ユーザーがブラウジングをしない日を考慮して、1日あたりのユーザー数の3倍としている。
Mozillaはこの8週間で、Firefoxの1日あたりの利用者数が平均1000万人増加し、8週間前は約1億300万人だったのが1億1300万人まで拡大したのを確認している。 これを1カ月あたりのユーザー数に換算すると、合計で約3億3000万人になる。
「ユーザーが3億3000万人もいるというのは、驚くべきことだ」とNitot氏は述べた。「これは米国の人口と同じ規模である」(Nitot氏)
世界的なブラウザランキングを見ると、Firefoxはローンチされて以降、着実に市場シェアを拡大している。その一方で、最も普及しているInternet Explorerは、ユーザー数が徐々に減少している。
米国に拠点を置くウェブ分析企業のNet Applicationsによると、2009年9月末時点でのInternet Explorerのブラウザ世界市場シェアは65%で、2008年11月の70%から縮小しているという。これとは対照的に、Firefoxのシェアは21.21%から3%近く拡大して、23.75%に達した。
Nitot氏によれば、Firefoxは通常、秋になるとユーザー数が大きく増加する傾向があるという。北半球の夏休みを終えて職場に戻ってくる人々がFirefoxの増加に貢献しているのかもしれない、と同氏は付け加えた。
「通常、ユーザー数の増加は、新学期の始まりと、新しいコンピュータを入手して最新バージョンをインストールする人々が重なり合って起こる」とNitot氏は述べた。「これが原因で、この時期、われわれの数値は毎年増加する」(Nitot氏)
欧州の17カ国において、Firefoxは最も利用されるブラウザになった、とNitot氏は述べた。そして、Firefoxは特に東欧で人気が高い。ポーランドのウェブ分析企業であるGemius Ramkingは、同地域のブラウザランキングチャートにおいて、一貫してFirefoxを首位と評価している。例えば、Firefoxのポーランドにおける市場シェアは48%を超えている。
さらに、東欧において、ここ4年間で情報技術の一般大衆への普及が進んだことも、Firefoxのユーザー増加に有利に働いている、とNitot氏は述べた。「Firefoxの人気が拡大している時期に、インターネットの普及が起こった」Nitot氏は話した。「東欧の人々はInternet Explorer 6に慣れ親しんでいなかった。Internet Explorerの青いアイコンをクリックするのが当然という思い込みがなかったのだ」(Nitot氏)
しかし、Firefoxは西欧でも人気が高く、特にプライバシーが重視されるドイツにはユーザーが多い、とNitot氏は付け加えた。欧州全体で見ると、地元のFirefox開発コミュニティーの気風と熱意が新規ユーザー獲得を促進する傾向がある、と同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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