Advanced Micro Devices(AMD)は、「Windows 7」およびIntelをターゲットとした、100ドル以下の価格帯では初のクアッドコアプロセッサを発表し、このところ振るわないデスクトップPC市場に新風を吹き込もうとしている。
現在、市場で注目を集めているのはモバイルコンピューティングの話題ばかりである。しかしながら、AMDの「Athlon II X4」クアッドコアプロセッサは、Windows 7が出荷される10月にはデスクトップPCを選択肢として考慮するように消費者へ促すものとなるかもしれない。AMDによれば、同チップは「システムビルダー」向けに99ドルで販売される。
MicrosoftのWindows Product Management部門ゼネラルマネージャーであるMike Ybarra氏は「Windows 7と組み合わせて、新たなAMDのメインストリームデスクトッププラットフォームを発表することで、(中略)より高速でハイパフォーマンスのエクスペリエンスを魅力的な価格帯で提供可能となる」との声明を出した。
早くも同チップを称賛するレビューも出てきている。Hot Hardwareは米国時間9月16日に「低価格帯のメインストリームハードウェアに興奮を覚えるなど、大抵は困難なことである。しかしながら、AMDの新たなクアッドコアのAthlon II X4プロセッサは、確かに期待に胸をふくらませることができるものである」と記した。
「AMDは単に低価格を狙ったのではなく、より高価格となるIntelの『Q8200』やAMDの『Phenom II』のようなプロセッサにも対抗可能な、非常に競争力のある製品の生産へと踏み切ってきた」とのレビューが掲載されている。Intelが提供している(Athlon II X4に)最も近いクアッドコアプロセッサは「Core 2 Quad Q8200」となるものの、店頭では約150ドルで販売されている。
とはいえ、それほど好評価ではないレビューもある。TechSpotは「(トリプルコアの)『Phenom II X3』と比較して、『Athlon II X4 620』は20ドル安いだけである。(中略)パフォーマンスという観点では、トリプルコアのPhenom II X3のほうが、大半のケースで(クアッドコアの)Athlon II X4 620より高速であり、しかもクロック数はPhenom II X3が200MHz高くなっている」と報告した。
低価格という以外にも、最新の45ナノメートル(nm)製造プロセスが採用されているため、標準的な75ワットの電球より少ない電力で動作する省電力性能を、AMDはメリットに挙げている。2009年に入るまで、AMDでは65nmプロセスのプロセッサ製造が主流であった。一般的にはジオメトリの縮小化により、プロセッサの高速化および省電力化が進むとされている。
今回発表されたクアッドコアプロセッサは、「ATI Radeon HD 4200」グラフィックスシリコンを統合した「785G」チップセットと組み合わせて使用される。同チップセットの価格は、プロセッサとは別に設定されている。
Athlon II X4プロセッサがベースとなるコンシューマー向けに用意されたシステムの販売価格は、まだ現時点では明らかになっていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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