家庭用3D製品を喧伝するメーカー各社--消費者との温度差の理由 - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年09月11日 07時30分

 Philipsと東芝は過度に慎重だと思われるかもしれないが、そうではないようだ。というのも、ソニーとパナソニックが人々に対し、家庭のテレビですべてを3次元で見たいと思わせようと試みているにもかかわらず、両社とも実際の製品はまだ作っていない。その理由は、3Dビデオの標準として認められているものがないことだ。これは、IFAでPhilipsが率直に述べたことであり、ソニーが言及したものの言い逃れようとしたことでもある。

 Philipsは、多くの家電メーカーと同じく、3Dに取り組んでいるBlu-ray標準化団体の活動的なメンバーであるが、まだ家庭用3Dに参入しない理由を、標準がまだ合意されていないからだとしている。

 ソニーもその点を認めている。Stringer氏は2日、「3Dは明らかに大衆市場に向けて進んでいるが、まだ解決しなければならないさまざまな問題がある」と述べている。同氏は詳しくは語らなかったが、標準の問題について言っていることはかなり明らかだ。

 3Dビデオの標準がまだ決まっていないだけでなく、映画館に3D作品を配給するための標準技術さえ、まだ存在しない。3Dメガネが3種類あり、利用する映画館によって渡されるメガネが異なるのは、このためだ。

 標準がないことの影響は、家庭の居間にまで及んでいる。3D映画のヒット作品のいくつか(「U23D」など)がいまだにディスク化されないのも、このことから説明できる。画質は映画と同じというわけにはゆかず、人々が映画館で見て覚えているものと同じ効果を種々のBlu-rayプレーヤーやテレビで再現しようという試みは、今のところほぼ実現不可能だ。Dolby Laboratoriesは、標準がないことに基づいた事業を立ち上げようとしているほどだ。

 だからといって、標準問題が解決されないということではないし、これからも映画ファンが家庭で3D映画を見たいと思わないというわけではないが、それが実現する日はまだ先になりそうだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]