Philipsと東芝は過度に慎重だと思われるかもしれないが、そうではないようだ。というのも、ソニーとパナソニックが人々に対し、家庭のテレビですべてを3次元で見たいと思わせようと試みているにもかかわらず、両社とも実際の製品はまだ作っていない。その理由は、3Dビデオの標準として認められているものがないことだ。これは、IFAでPhilipsが率直に述べたことであり、ソニーが言及したものの言い逃れようとしたことでもある。
Philipsは、多くの家電メーカーと同じく、3Dに取り組んでいるBlu-ray標準化団体の活動的なメンバーであるが、まだ家庭用3Dに参入しない理由を、標準がまだ合意されていないからだとしている。
ソニーもその点を認めている。Stringer氏は2日、「3Dは明らかに大衆市場に向けて進んでいるが、まだ解決しなければならないさまざまな問題がある」と述べている。同氏は詳しくは語らなかったが、標準の問題について言っていることはかなり明らかだ。
3Dビデオの標準がまだ決まっていないだけでなく、映画館に3D作品を配給するための標準技術さえ、まだ存在しない。3Dメガネが3種類あり、利用する映画館によって渡されるメガネが異なるのは、このためだ。
標準がないことの影響は、家庭の居間にまで及んでいる。3D映画のヒット作品のいくつか(「U23D」など)がいまだにディスク化されないのも、このことから説明できる。画質は映画と同じというわけにはゆかず、人々が映画館で見て覚えているものと同じ効果を種々のBlu-rayプレーヤーやテレビで再現しようという試みは、今のところほぼ実現不可能だ。Dolby Laboratoriesは、標準がないことに基づいた事業を立ち上げようとしているほどだ。
だからといって、標準問題が解決されないということではないし、これからも映画ファンが家庭で3D映画を見たいと思わないというわけではないが、それが実現する日はまだ先になりそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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