JavaFXは、2007年のJavaOneで発表され、今回のJavaOneでは最新版として「JavaFX 1.2」が発表されている。1.2ではアプリケーションの起動が速くなるとともに、プロトコルのRTSPを通じたストリーミングメディアの処理も速くなっている。デスクトップやブラウザ、モバイル端末上での性能も向上している。また、新しいユーザーインターフェースライブラリを搭載することで、データの可視化やビジネスインテリジェンスといったアプリケーションのためのコンポーネントのユーザーインターフェースも、従来よりも簡単に、そして早く作成することができると説明している。
最新版のJavaFX 1.2は、従来よりも実行環境へのアクセスが高速になっているとともに、OpenSolarisやLinuxのためのツールも用意されている。これによって、個人向けから企業向けにわたるさまざまな局面でリッチインターネットアプリケーション(RIA)を実装しやすくなると同社では強調している。同社の関係者によれば、「1.0や1.1といったこれまでのJavaFXはどちらかというと未完成という印象だったが、今回の1.2はパフォーマンスが向上していることで、実際の使用に耐えられるものになっている」と明かしている。
そのJavaFXは、2008年12月にデスクトップPC向けに、そしてこの2月に携帯電話向けの「JavaFX Mobile」の出荷が開始されているが、今回のJavaOneではテレビ向けの「JavaFX TV」が発表されている。JavaFX TVのアーキテクトであるRonan McBrien氏が、LG電子製テレビにJavaFX TVを搭載し、どのように活用されるものかデモンストレーションを実演している。
JavaFXに関連して、JavaFXのオーサリングツールも発表されている。このオーサリングツールは動画やアニメ、音声といったコンテンツに双方向の動作を加えることができ、完成したものはデスクトップのアプリケーションとして、あるいはブラウザ上で、またはモバイル端末で稼働するものになる。同社では、このオーサリングツールを「クラウドベースでコラボレーションしながらリッチなアプリケーションを開発する」ことができるとしている。
JavaFXの新しい発表に続いてSchwaltz氏は「JAVA+YOU=IMAGINATION」という言葉を会場に提示。さらに「JAVA=OPPORTUNITY」と示した後で登壇したのが、“Javaの父”であるJames Gosling氏だ。Schwaltz氏がJavaOne開催前にブログで予告していた通りに、Javaのアプリケーションストアである「Java Store」が正式に発表になったのである。
Java Storeは、世界中で10億人以上いるJavaのエンドユーザーを対象にしたネットワークサービスであり、エンドユーザーはJava Storeに登録されたJavaアプリをドラッグ&ドロップでインストールすることができる。まだベータ版の段階だが、同社では2009年中に米国在住のすべてのユーザーに展開できると見込んでいる。
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