現在、インターネットはWeb 2.0と呼ばれることが多いが、単にWeb 1.0から進化してきたというのが本当のところだ。先進的なWeb 2.0テクノロジはWeb 1.0時代の黎明(れいめい)期に産声を上げ、ここ10年にわたって発展した結果、われわれが現在利用している高度なインターフェースやオンラインアプリケーションをもたらした。
Netscapeはブラウザ以外にも大きな役割を果たした。Netscape Navigator 2.0に実装される形で登場したBrendan Eich氏開発のLiveScriptは、1995年12月にSun Microsystemsとの共同作業を経てJavaScriptと名づけられた。今やJavaScriptは大きな役割を果たしている。ウェブサイトにインタラクティブ性を与えただけではなく、Google DocsやFlickrといったサイトや数多くのブログなどのサイトでデスクトップ環境のようなインタラクティブ性とWeb 2.0の属性を実現する新しいテクノロジ、AJAXの基礎となっているのだ。
「web」上で見つけた出来事を自分のサイトRobotWisdomに「logging(記録)」していたJorn Barger氏は「weblog」という言葉を思いついた。Barger氏は今もブロガーの1人だ。その後1999年4月頃にPeter Merholz氏が、「weblog」を「ウィーブログ」として発音するのは1つの単語としては長すぎる、ということで「blog」という言葉を生み出した。
Merholz氏が「ブログ」という言葉を「ウェブ空間」(われわれもいろいろな言葉を作れる)に紹介してから数カ月後、Pyra LabsがBloggerというサービスを立ち上げたことで、世界中の人々は無料で簡単にブログを作成できるようになった。少し前の1999年7月にはPitas.comが同様の無料ウェブログサービスを始めていたが、話題をさらったのはBloggerのほうだった。Bloggerは最終的にはインターネットの巨人Googleに買収されている。
Wikipediaは現在の.orgドメインに切り替わる前は企業用の.comドメイン上に開設されていた。Wikipediaは現在アクセス数が極めて多いサイトの1つになっているとともに、Web 2.0の基本要素の1つとされる群衆の叡智(Wisdom of Crowds)の活用の可能性を示す証拠となっている。
digg.comは、もともとは技術ニュースのハブとして誕生した。その後、政治やエンターテインメントニュースなどにも範囲を拡大し、さらにユーザーの要望によって画像や動画にも対象を広げている。diggは参加者同士によって編集管理されているニュースサイトであり、ユーザーによって運営されている。買収による成功とあまり縁がないが、一般受けという観点ではWeb 2.0の時代にあって成功した産物の1つである。
第5章へ続く(隔週で公開します)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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