グーグル、自社設計のサーバを初公開--データセンターに見る効率化へのこだわり - (page 3)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年04月06日 07時30分

かさむコスト

 Googleは、サーバを驚異的な規模で運用しており、そのコストはあっという間に大きな額となる。

 Jai氏は1人で大きな負担をかかえてきた。Jai氏は2003年から2005年まで、サーバ設計を行う唯一の電気エンジニアだったと言う。同氏は、ほかにも従業員が雇用されて、その仕事を分担するようになるまで、「2年半の間、1日14時間働いた」と述べている。

 Googleは、内蔵バッテリの設計に関する特許を保有しているが、Hoelzle氏は「ベンダーに喜んでそれらのライセンスを供与するつもりだ」としている。

 効率性に関するGoogleのこだわりを示すもう1つの例は、電源装置の設計に表れている。電源装置では、標準的な交流の電気を直流の電気に変換する。一般的な電源装置は、コンピュータに5Vと12Vの直流電力を供給する。Googleの設計では、12Vの電力のみを供給し、必要な変換はマザーボードで行う。

 これによって、マザーボードには1ドルから2ドルの追加コストが生じるが、それだけの価値はある。なぜなら、電源装置が安価になるからだけでなく、電力供給装置がピーク出力に近い状態で稼働でき、はるかに効率的に稼働することになるからだ。Googleは、銅線経由で電力を伝送するには、5Vに比べて12Vの方が、効率が良い点にも注目している。

 Googleはまた、電力利用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)と呼ばれる標準で測定した、データセンターのエネルギー効率に関する新しいパフォーマンス結果を公表した。PUEは、The Green Gridという業界団体が開発した指標で、照明や冷却などの補助的なサービスと比較して、コンピューティングで直接消費される電力がどれくらいかを示すものだ。満点の1.0は、余分なコストのために消費されている電力がまったくないことを意味する。1.5は、コンピューティング用電力の半分が補助的なサービスで消費されているということだ。

効率化されるGoogleデータセンター 効率化されるGoogleデータセンター
提供:Stephen Shankland/CNET

 GoogleのPUEのスコアは素晴らしく低いが、Googleはこのスコアをさらに低くするために取り組んでいる。Malone氏によれば、GoogleのPUEは、2008年の第3四半期には1.21であったが、2008年第4四半期には1.20、2009年第1四半期(3月15日まで)には1.19へと減少した。

 Googleの古い設備は一般的にPUEが高いとMalone氏は述べている。最も優れた設備は、1.12のスコアを記録している。Googleは、温暖な気候になると、サーバを低い温度に保つのが難しくなることに注目している。

 Googleのデータセンターコンテナに関するビデオの一場面 Googleのデータセンターコンテナに関するビデオの一場面
提供:Stephen Shankland/CNET

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