アップル、年次株主総会を開催--療養休暇中のジョブズ氏への質問などに応対 - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟、佐藤卓、長谷睦2009年02月26日 08時11分

Macworld

 1980年の第1回株式公募(IPO)以来、Appleの株を持ち続けている古参株主の1人は、発言の機会を使い、次回の2010年には参加しないことになっているMacworldへの復帰を検討するようAppleに求めた。Cook氏は、「Macworldには非常に楽しい思い出がある」と述べながらも、自前の小売店網を利用した方が毎週店舗でより多くの人々に接することができるはずだとする、同社のこれまでの見解を繰り返した。

 また、新しい観点として、Appleが記者会見を開けばテクノロジ関連のすべてのメディアが顔を出すという、テクノロジ業界でもまれな特性もAppleにはあるとCook氏は指摘した。AppleがMacworldに出展していた1990年代後半から2000年代初めにかけては必ずしもそうではなかったが、今では「顧客にアピールする方法はほかにもたくさんある」とCook氏は説明した。

役員報酬

 米国州郡自治体職員組合(AFSCME)の厚生年金基金を代表するScott Adams氏は、Appleの役員に対し、Jobs氏のいないAppleが株主との話し合いにより積極的に望むつもりがあるかと尋ね、「Jobs氏は以前から、役員陣を株主から隠す人物として知られている」との見解を述べた。Adams氏は、役員報酬についての株主提案を提出した上で、2008年の株主総会でも拘束力のない同様の提案が可決されたが、Appleはその問題について何も行動を取らなかった点も指摘した。

 Appleの取締役で、同社の報酬委員会の長を務めるBill Campbell氏(Intuit会長)は、Adams氏に対し、Appleは役員報酬について非常に慎重に検討しているが、実際の金額に関しては自分たちで決定したいと考えていると回答した。Campbell氏はその理由を、「適切と思われる額を役員に支払うことのできる柔軟性を確保する」ためだとし、ここ数年、Appleが好調な業績を記録するにあたって、こうした役員が果たした役割に言及した。

Al Gore氏、社会主義、テレビ広告

 ちょっと笑えるような場面はどの株主総会にもつきものだが、今回は、ある個人株主と保護者団体Parent's Television Council(PTC)の代表者がその役割を果たした。

 ある株主は、株主提案に関する公式プレゼンテーション時に設けられた意見発表の機会を利用して、役員を務めるAl Gore氏の再選に反対票を投じるよう強く求めた。その株主は、再選反対の理由として、Obama米大統領が商務長官に指名したGary Locke氏とGore氏との関係を挙げた。両氏はJohn Huang氏を通じてつながりがあるが、Huang氏は1996年の連邦選挙資金疑惑における主要人物で、この疑惑には当時副大統領だったGore氏も献金の受け手として当事者になった。この株主は、本来政治献金ができない仏教寺院から献金があった件や「(この献金を法律違反だとする)所轄の法的機関はなかった」という、当時のGore氏の発言まで引き合いに出した。しかし、Apple側の代表者でこの意見に回答した者はいなかった。

 その後、この同じ株主は、保険制度改革などの株主提案を「Appleには関係のないものだ」として激しく非難し、当該機関の代表者たちを「社会主義者」だとあざ笑った。これはすぐにジョークのネタになり、この大批判の後に質問に立った株主やCook氏は、互いに自分たちが社会主義者でないことを確かめ合っていた。

 最後に、PTCの代表者がAppleに対し、Appleがコマーシャルを流しているテレビ番組に、PTCには不適切と思われる言動が含まれていると苦情を述べた。代表者はその例として、CBSのコメディ「Two and a Half Men」でストリッパーが登場した回を挙げ、主要な登場人物の1人が興奮した口調で「うーん、いいね」と言ったとして、そのフレーズを引用してみせた(ほとんどの人はご存じだろうが、当CNET NewsもCBSの傘下にある)。

 Cook氏は、「(スポーツ局の)ESPNの放映でないなら、私はその番組はおそらく見ていないはずだ」と話し、問題の番組を目にしたことがないと主張した。それでも、Cook氏はこの問題を調査することを約束した上で、この機会を利用して「Mac」のペアレンタルコントロール技術に対するAppleの取り組みについて宣伝した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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