携帯での「絵文字」は、メールの表現の1つとして今ではなくてはならないものになっている。2005年前後から通信事業者を超えて絵文字を送受信できるようになり、最近では、iPhoneが絵文字対応になったことで世界でも注目され始めた。Gmailも絵文字をサポートするなど動きが活発になってきている。
携帯電話で打ち込んでいる絵文字が、相手の携帯電話にはどのように表示されているのだろう。各キャリアの端末をもとに、絵文字を見ていく。
まず、携帯電話での絵文字について簡単に説明しておこう。絵文字は、「文字コード」の中で通常使われていない領域を使っている。文字コードとは、文字をコンピュータで認識させるための数字だ。たとえば、Sift-JISと呼ばれるコードなら、“あ”は82A0、“ん”は82F1だ(0000〜FFFFの16進数表記の場合)。つまり、文字として82A0という数字が入力されると、画面上に“あ”と表示するしくみ。同様に、絵文字の数字なら画面上に対応する絵文字を表示する。
16bitの文字コードの場合は6万5536文字まで使えるが、使っていない数字が多いので、その一部を絵文字として使っている。NTTドコモのiモード絵文字の場合、基本絵文字はF89F〜F95F、拡張絵文字はF9B1〜F9FCの領域が使われている。ちなみに、au、ソフトバンクモバイルともこの数字が異なる。たとえば“晴れ”の絵文字は、NTTドコモだとF89F、auはF660(太陽)と言った具合で、そのコードのまま送信すると、文字化けを起こしてしまう。
それは、通常の文字コードにない文字を独自に拡張した結果だ。そこで、メールの送り先の携帯電話でキチンと表示できるようにコードの自動変換が行われているのである。
ただし、それでも使える絵文字が限られる上、イメージと違う絵文字を相手の携帯電話に表示してしまうこともある。そう、自分が打ち込んでいる絵文字がそのまま表示されているわけではないということだ。各事業者でどんな絵文字を使っているのかを比較しよう。
※今回はNTTドコモのデコメール、auのデコレーションメール、ソフトバンクモバイルのデコレメールなどのHTMLメールを除外。HTMLでは画像として絵文字が使え、自作の画像までもメール内に埋め込めるため。文字として携帯電話内に内蔵している絵文字を取り扱う。
auとソフトバンクは、使える絵文字の中からどの通信事業者の携帯電話でも表示できる絵文字を選びやすい。auでは“他社変換可能”、ソフトバンクは“他社共通絵文字”と、絵文字を選ぶときにカテゴリー分けしているからだ。そこで今回は、auから他社変換可能のカテゴリー内の絵文字を選んで、NTTドコモ、ソフトバンクなどに送信してチェックした。絵文字の比較で使用した携帯電話は、NTTドコモ「SH-01A」、au「W64SH」、ソフトバンクモバイル「931SH」、イー・モバイル「H11T」の4機種。
デザインがシンプルなNTTドコモ。シンプルだからこそ、液晶の解像度が低いものからモノクロまで、どんな液晶でも分かりやすい絵文字となっている。
一方、デザイン重視は、auとソフトバンクモバイル、イー・モバイルの3社。顔の絵文字を見ると、auとソフトバンクは真正面の顔をイメージしたものとなっていて、その3分の1程度が動く。中でも、auは顔の表情のほとんどが動くので遊び心満点だ。ホッペタがほのかに赤かったり、眉毛まで付いていたりする。低解像度の液晶で見ると、ちょっと見づらいかもしれない。ソフトバンクモバイルは顔の形になっているが、必要最低限の表現となっているので、どんな機種でも見やすそう。イー・モバイルは、同じ顔をイメージした絵文字だが、顔が斜め左を向いているのが特徴だ。
古い機種でも楽しめるのがNTTドコモ、高解像度の機種で見ると楽しいのがau、どんな機種でも見やすいデザインチックな絵文字がソフトバンクモバイル、個性的なデザインの絵文字がイー・モバイル、といった印象を受ける。
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