海外ラウンドアップ2008:SNS各社が取り組む収益性の課題

文:Caroline McCarthy(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2008年12月25日 07時45分

 ニュースの見出しという点では、ソーシャルネットワーキングにとって2008年は、「ほぼ」という限定付きながら素晴らしい1年だった。

 実際に、セキュリティホールや安全性の問題は解消されておらず、今すぐに何らかの解決策を見出せる可能性は低い。また、「Scrabulous」の提供停止のような、著作権や商標をめぐる既存の問題についても同様である。しかし、FacebookやMySpace、Twitter、Diggなどのサービスは、ある大勝利の波に乗った。その大勝利とはBarack Obama氏の選挙戦である。同氏の大統領選挙運動は、1年ほど前には単なる一時の流行だとして否定されていた多くのソーシャルメディアツールで一気に勝利をつかみ取った。

 世界の2大ソーシャルネットワークであるFacebookとMySpaceは、手の込んだ投票者支援のイニシアチブを立ち上げた。政治関連のニュースが盛り上がりを見せると、Diggのトラフィックも急増した。Obama氏の公式Twitterアカウントは、同マイクロブログサイトで最高の人気を得た。ウィジェット開発会社は、2007年にFacebookによってソーシャルプラットフォームが大流行したため脚光を浴びた。2008年、ウィジェット開発会社には選挙用アプリケーションの制作依頼が殺到した。

picture1 MySpace-MTVイベントでのObama氏
提供:Caroline McCarthy/CNET News

 こうした一連の動きは、9月に米国経済が崩壊し始めた中で、ソーシャルメディアサイトにとっては励みになる明るいニュースだった。しかしObama氏が大統領に選ばれ、選挙という大きなイベントが終了した今、現実に立ち返るべきときがきた。まだ注目に値するものではあるものの、ソーシャルメディア業界はこれまでのところ、ビジネスとして成り立つかどうかを実証していない。このことは、今回の金融危機が深刻な事態になる前から、すでにシリコンバレーでは懸念されていたことである。Twitterはまだビジネスモデルを確立していない。FacebookとDiggは収益化には至っていない。MySpaceは比較的順調のようだが、それは2005年にNews Corp.が所有するようになったことで、ビッグメディアによる広告を取り扱えるようになったことによるものだろう。

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