ソーシャルネットワーク大手のFacebookは米国時間12月4日、Facebookのプロフィールデータや認証情報を外部のウェブサイトでも利用できるようにするサービス「Facebook Connect」の正式提供を開始したと発表した。
同社はFacebook Connectの機能をセルフサービスで利用できるとしており、少しでもコミュニティー機能のあるサイトを開設しているユーザーなら誰でも、Facebookのソーシャルネットワークと関連づけることが可能になる。
以前の記事にも記したように、このサービスを否定するのは難しい。既存のFacebook認証情報でユーザーが「登録」できる機能をサイトに追加することで、コミュニティーの関わりが強化されるだけでなく、これらのサイトでユーザーが行うことがアクティビティ情報としてFacebookにも反映されるからだ。これは無料のマーケティングといえる。
Facebook Connectは単なる登録システムではなく、(Facebookによると)既存の月間アクティブユーザー1億3000万人という規模のマーケティングチャンネルでもあることから、同プログラムは競合する登録システムにとって脅威となるだろう。
「OpenID」やGoogleの「Friend Connect」といったプラットフォームの長所を挙げることもできるが、技術的側面や理念について議論してみても(その点ではFacebook ConnectよりもOpenIDの方がポイントは高いはずだ)、やはり現実の方が強いという結果になるだろう。
外部サイトがFacebook Connectを採用する理由は2つある。1つは、ユーザーがすでに積極的に利用しているということだ。OpenIDの場合、ログインできるようになっているのにそのことを意識していないユーザーは非常に多い。2つめの理由は、Facebook Connectが単なる登録システムではなく、マーケティングチャンネルだということだ。
(サイトオーナーの側からすると)自らの利益は理念に勝る。Facebookはそこを突いている。これが受け入れられる理由だ。
Facebook Connectを利用しているサイトに残したコメントは、ユーザーのFacebookプロフィールに投稿できる。
Facebookの上級プラットフォームマネージャーDave Morin氏によると、Facebook Connectを使っている(これまでに数十にのぼる)ベータテストサイトの多くでは、ユーザーがログインする際におよそ2対1の割合で、既存のサイトIDの代わりにFacebookのIDを使用していることが分かったという。Facebook Connectでは、サイト独自の登録認証とFacebookのIDを連携させて、ユーザーがどちらでもログインできるようにするオプションをサイトマネージャーに提供している。
この記事の執筆時点で、Facebook Connectを利用している最大の外部サイトは「CitySearch」だとMorin氏は語った。
その他のグローバルな登録システムも、いずれFacebook Connectと連携する可能性はある。実際、OpenIDなどの代替認証システムも利用できるようにすれば、ユーザーをFacebookの世界に引き入れられるわけで、結果的にFacebookにとって賢い選択なのかもしれない。ただし、いまのところはまだだ。
編集部注:米CNETおよびパブリッシャーのCBSは、Facebook Connectを各種サイトで利用中、もしくは将来利用する可能性がある。筆者は同プログラムを採用するかどうかを決定するチームに加わってはいなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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