Appleは率先して「iPhone」「iPod touch」といった自社の製品にタッチスクリーンを実装している企業の1つであり、画期的な方法でタッチスクリーンを使っている。Jobs氏はAppleがタッチスクリーンについて検討していることを認めたが、Hewlett-Packard(HP)のタッチスクリーンモニタ搭載デスクトップ「TouchSmart PC」のノートブック版を作るつもりはないようだ。
タッチスクリーンがノートPCに搭載されれば画期的だが、Gartnerのマネージング担当バイスプレジデントであるCharles Smulders氏によれば、現時点では大手コンピュータメーカーから発売される可能性は低いという。
Smulders氏は、「一部のベンダーはタッチスクリーンを採用しているが、たいていはノートPCではなく、デスクトップだ」と述べた。たとえば、HPのTouchSmartは、比較的操作が単純なキッチンなどでの使用を想定している。一般的には、長時間あるいは終日使う場合、キーボードなどの入力装置が必要になる。
多くのAppleファンは、14日にAppleからネットブック(低価格で機能が限定されたノートPC)が発表されることを期待していたが、まだまだ待たなければならないだろう。14日にこのことについて質問されたJobs氏は、ネットブックはまだ生まれたばかりの市場であり、「Appleは動向を見守っていく」と述べた。
Jobs氏は確かに考えなおす余地を残してはいたが、この分野にはまったく興味を持っていないようだった。NPDのBaker氏は、小型で低価格な「Mac mini」の挑戦がさほど受け入れられていないことから、Appleはネットブック市場への参入をためらっているのかもしれないと述べた。
「Mac miniをネットトップ(ネットブックのデスクトップ版)の先駆者と考えるならば、Appleは確かにネットトップを発売したが、特に成功しなかった」(Baker氏)
その一方で、ブランドイメージを維持するためにネットブックをMacのラインアップに加えないことは、Appleにとってまさに理にかなっている(最も低価格な「MacBook」の価格を999ドルに引き下げたAppleに対する反応を見ればわかる)。ネットブックは価格がすべてといってもいいが、Appleは製品の判断基準を価格ではなく、機能に置いている。
価格の引き下げは、Appleが提供しようとしているエクスペリエンスの質、そして利益幅を大きく損なう可能性がある(Appleは米国では追い上げているが、HP、Dell、Acerの出荷台数には遠く及ばない。これらの企業には、小型で低価格なネットブックをサイドビジネスとして行う余裕がある)。
しかし、14日のJobs氏のコメントからすると、これらが実現する見込みは薄そうだが、同氏は確かに考えなおす余地を多く残していた。いずれにせよ、ネットブックが非常に新しいという点について、同氏は正しい。ネットブックの売り上げは現在、比較的好調だが、革新性はあまりない。Smulders氏によれば、市場が成熟すれば、Appleが参入する余地は十分あるという。
「ネットブックはまだまだ発展途上の市場であり、最適なフォームファクタとユーザーエクスペリエンスが提供されるには、まだまだ長い道のりがある」(Smulders氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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