米司法省はAppleのストックオプションバックデートに関する2年がかりの調査を終了し、最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏を含め、現在および過去の幹部を起訴しないという結論に至ったようだ。7月10日付けのThe Wall Street Journal紙が報じている。
Appleと司法省はコメントを控えているが、今回の調査にかかわった検事らはWall Street Journal紙に対し、調査は終了したという通知を受けたと語っている。
Wall Street Jounrnal紙によると、弁護士のCris Arguedas氏は、「事実を完全かつ公正に調べた結果、われわれは前々から、これ以上の事実はないと自信を持っていた」と述べているという。Arguedas氏はAppleの元法務顧問、Nancy Heinen氏の弁護人を務めている。
Appleは、特定のストックオプションにおいて、ストックオプションのバックデート操作があった事実を認めている。バックデートとは、ストックオプション付与を有利な日付に付け替える行為である。この中にはJobs氏が受け取った2件も含まれている。これに対しAppleは、Jobs氏はバックデート処理を認識していたが、この手法がどのような財務的影響をもつかは知らなかったと主張している。
バックデート自体は適切な記録をしていれば必ずしも違法ではないが、News.comの発行者であるCNET Networksを含め、多くの企業はこれを費用として記録していなかった。
Heinen氏と元最高財務責任者(CFO)のFred Anderson氏は、Appleのバックデートスキャンダルでスケープゴートにされている。Anderson氏は2007年に米証券取引所委員会と和解したが、その後Jobs氏とは対立し、Jobs氏に影響を説明していたという声明文を出した。Appleの取締役会は、内部調査の結果、Jobs氏に罪はなかったと述べている。
しかし、だからといってAppleがバックデート問題から解放されたわけではない。6月にサンノゼの連邦裁判所に提起された株主訴訟では、2000年代前半にAppleの幹部や取締役らは、ストックオプションのバックデート行為をはたらいて、株主に損害を与えたと非難している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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