連邦大陪審は米国時間2月27日、McAfeeの元法務顧問をストックオプション(自社株購入件)のいわゆる「バックデート」行為に関連する詐欺罪で起訴した。
起訴されたのは、テキサス州ダラス在住のKent Roberts容疑者(50歳)だ。Roberts容疑者を起訴したサンフランシスコ地方検察局の発表によると、同容疑者は、自分や他の者に付与したイン・ザ・マネー(オプションの行使時に利益が出る状態)のストックオプションの本質や真の価値について、Network Associates、取締役会、株主、監査役、一般大衆、米証券取引委員会(SEC)を欺いたという。
セキュリティソフトウェアメーカーのMcAfeeは以前、Network Associatesという社名を使用していた。検察によると、Roberts容疑者は、2000年と2002年にバックデート行為を行ったという。
バックデートとは、ストックオプションを付与した日付を株価が特に低かった時点までさかのぼって操作する行為を指す。バックデート自体は必ずしも違法ではないが、企業は優遇価格のストックオプションの付与について、適切な公表と説明を行う義務がある。
現在、連邦検察は複数のストックオプションの不正値付けや不正会計を調査しており、検察が起訴した事件はRoberts容疑者の件で2件目だ。2006年には、Brocade Communications Systemsの元最高経営責任者(CEO)を含む元幹部2人が連邦検察に起訴された。
Scott Schools連邦検事は、「米国の金融市場に対する国民の信頼を得る上で、企業の財務に影響を与えるトランザクションが誠実に記録されていることは必要不可欠な条件であり、特にそれを行う者が法規制の遵守義務を負っている場合はなおさらだ」と語った。
Roberts容疑者には、2件の郵便詐欺、1件の電信詐欺、3件のSECへの虚偽書類の提出、1件のNetwork Associatesの帳簿、記録、会計の改ざんの容疑がかけられている。
McAfeeは、ストックオプションに関する社内調査を行っていた2006年10月に経営陣を刷新し、CEO兼会長のGeorge Samenuk氏は辞任し、社長のKevin Weiss氏は解任された。検察の発表によると、Roberts容疑者は2006年5月にMcAfeeから懲戒解雇処分を受けたという。
これまで、多くの企業がストックオプションのバックデート行為で非難を浴びてきた。News.comの発行元であるCNET Networksもその1社だ。現在、数十社が社内調査かSECおよび米連邦検事事務所の調査を受けており、中にはその両方を受けている企業もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス