Lisa Rhorer氏。元マーケティングマネージャーで、現在はソムリエ
Google退職者の多くは、Googleの名前を利用して、技術分野で新しい事業を始めている。だが、Rhorer氏にとって、検索最大手のGoogleを離れることは、検索業界でのキャリアがあまり意味を持たない料理とワインの世界で、一からやり直すことを意味した。
Rhorer氏(40歳)は、2002年9月にGoogleに応募した際に12回もの面接を受けたが、それまでにSGIやOracleで13年間働いた経験があった。Googleは、同社初となる営業部門のマーケティング担当者としてRhorer氏を雇い、自分で仕事を作り出す力を彼女に身に付けさせた。こうした起業家的な役割を与えられたことが、自分自身のビジネスを始めることにつながったと、Rhorer氏は考えている。Googleが2004年8月に新規株式公開(IPO)を実施した後、独立のための条件はさらに整った。同年10月にGoogleを退職したRhorer氏は、瞑想、ボクシング教室、野外キャンプといったストレスのない生活を楽しんだ。
しばらく休んだRhorer氏は、ワインバーを開くという大きな目標を抱き、「基礎から徹底的に」ワインについて学び始めた。カリフォルニア州セントヘレナにある料理学校Culinary Institute of Americaに通ってソムリエとなったRhorer氏は、シリコンバレーに近いサンノゼやロスガトスのワインバーで働いた後、Whole Foods Marketのロスアルトス店にワインのバイヤーとして就職した。
だが、最近になってWhole Foods Marketを辞めたRhorer氏は、初めての自分の店となる「グリーン」なワインバー「Cin-Cin」を、2008年春にロスガトスのビレッジレーンにオープンすべく準備を進めている。自己資金だけで開業する、この環境に優しいバーでは、持続可能な方法で栽培し製造されたワインと、地元で作られた肉やチーズを提供する予定だ。Cin-Cinの店内では、床材に竹を、バーカウンターにクログルミの再生木を使用しているほか、Googleのカフェテリアに倣って、生物分解可能な紙製品とストローが使うなど、さまざまな部分で環境に配慮している。
「Googleが私に教えてくれたのは、1つのことに一生懸命取り組みながらも、地球規模の広い視野を持てるということだ」と、Rhorer氏は語った。
>Chris Sacca氏。GoogleではWi-Fiに関する交渉を担当した。現在は投資家
ジョージタウン大学卒の経験豊富な弁護士で、スキーが大好きなSacca氏にとって、無線に関する交渉担当者として約4年間勤めたGoogleを離れることは、一流のキャリアを積んできたこれまでの人生を考えれば難しい決断だった。Sacca氏は、ある年はオックスフォード大学でシリコンバレーを代表して講義を行い、またある年は数十億ドル規模の無線帯域のオークションでAT&TやVerizonと競り合った。しかし、Sacca氏は2007年秋、自身のストックオプションの権利が確定すると、規模の小さい企業に戻りたくなった(同氏が2003年にGoogleに入社したとき、従業員数は500名を超えていた)。小さい企業なら、事業計画を立てたり、「Google Talk」のようなサービスの構想を支援するなど、あらゆることに柔軟に取り組めるからだ。Sacca氏は2007年12月、エンジェル投資の世界に飛び込むことを決断した。
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