欧州におけるインターネット電話をめぐる規制に対して影響を及ぼすことを目指した、新たなロビー団体が誕生した。
欧州委員会が11月に出した規制案に対抗すべく、Voice on the Net(VON)Coalition Europeが現地時間12月14日に設立された。参加企業にはGoogle、Intel、Microsoft、Skypeといった大企業が名を連ねている。
同委員会は提案の中で、VoIPプロバイダに対し、緊急サービスを利用できるようにするよう要求している。英国における通信分野の監督官庁である情報通信庁がそれに続いて、2008年9月までにこうしたアクセスを利用可能にするよう要求している。
Skypeなど主要VoIPプロバイダーは、VoIPは従来の電話サービスに取って代わるものではなく、補完する役割を担うものであるとして、この提案に反対する意向を表明している。
14日に発表した声明によると、VON Coalition Europeは「技術革新の実現に向けた信頼に足る政府の政策と、VoIPの変革によってもたらされる多くのその利点を啓もうし、情報を提供し、促進していくことを働きかけていくつもりだ」という。
Skypeの国際行政および規制関連業務担当ディレクターであるStephen Collins氏は、「インターネットを活用した通信は、まったく新しい分野の通信関連の製品、サービス、アプリケーションであり、個人や企業を対象とする通信において新境地を開くものだ」と語る。「これらの大きな利点を生かすためにも、政策立案者は将来を考慮した政策方針を取り入れる必要がある」
「既存の電話に対する規制がこの新技術に適用されることをわれわれが易々と認めてしまえば、消費者や企業はVoIPが提供する新たなサービス、より幅広い選択肢、価格の低下、そして機能の向上といった利益を享受する機会を失うことになる」とCollins氏は述べる。
VON Coalition Europeは声明で、従来の家庭および法人向け電話サービスに代わる存在とはならないウェブサイト、Click to Dialサービス、一方向公衆交換電話網の音声サービスをはじめとするVoIPサービスに対し緊急電話の規制を「時期尚早に適用」することは、「市民の安全に悪影響を与え、障害のある人たちにとって重要な改革を遅らせ、競争の停滞を招き、革新的で進化しつつある通信オプションの利用を限定する可能性がある。これらのサービスで緊急通話番号(112番)をかけることは期待されていない」としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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