米連邦通信委員会(FCC)と米連邦捜査局(FBI)は、インターネット電話会社から出されていた日常業務に対する規制を一定限度内に止めてほしいとの要望を、FCCが認めることで合意した。
FCCの担当官は6日(米国時間)、Pulver.comが設立したVoIP(Voice over Internet Protocol)プロバイダのFree World Dialupが提出した要望書についての採決を、これ以上延期しないことを確約した。同委員会は12日に行われる月例会議で、同要望書を再検討する予定。FCCはこの要望書を承認すると見られているが、実際に承認されるか否かは依然不透明な状況だ。
Pulver.comは2003年2月、VoIPネットワーク上での通話に現行の電話に対する規制を適用しないよう求める要望書をFCCに提出していた。
課税率の高い公共の交換電話網に代わり、規制のないVoIPネットワーク上での通話が増え始めれば、州政府は数十億ドルの税収を失うことになる。インターネット電話サービスには全く規制が存在しないため、同サービスを提供する企業は巨額の税金を課されることもなく、またE911(拡張型緊急通報システム)を適用したり、警察による通信傍受を認める規則の対象にもならない。
Pulver.comが要望書を提出したことにより、VoIPサービスが通信傍受の対象外となることを懸念したFBIと米司法省は、インターネット上でなされる音声通話についても傍受可能にするための取り組みを強化してきた。FBIと司法省は最近、FCCに対して、捜査当局者がより簡単にインターネット電話を傍受できるよう、各VoIPプロバイダにネットワーク配線の取り替えを命じるよう要請した。FBIと司法省、さらに米麻薬取締局は、犯罪者、テロリスト、スパイらが合法的な監視を免れるためにVoIPの初期インフラを利用する可能性があると強く主張している。
FCCは先週、Pulver幹部宛てに書簡を送付し、FBI、司法省、米麻薬取締局が、捜査当局による通信傍受の援助法(CALEA)をインターネット電話サービスにも適用する包括的規則の制定を求める要望書を、共同で提出する予定であると伝えた。この要望書は数週間以内に提出される予定で、CALEAをVoIPサービスプロバイダに適用するにあたり、どのような規制を設けるべきか、またサービスおよびプロバイダに同法の遵守を求める上で必要な法的手続きなど、いくつかの関連問題についての対応策も盛り込まれると見られる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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