Vista人気が原因であれ、単にPC市場が好調だからであれ、Vistaの力強い売れ行きはVistaの将来にとって重要な意味を持つ。それは、Vistaのインストールベースが増えるにつれて、アプリケーション開発者とハードウェアメーカーが特にVistaの利点を活かした製品を作る傾向を強めるからである。そうした製品をきっかけとして、Vistaがさらに売れることも考えられる。
Microsoftは2007年のクリスマスや年末商戦に向けたVistaの大規模広告キャンペーンを開始していない。しかしその反面、Hewlett-Packardなどの主要パートナーが力強いマーケティングを展開することを期待していると言われる。Microsoftはまたオンラインマーケティングキャンペーンを開始し、Windows Vistaと「Windows Live」サービスの組み合わせをアピールしている。Microsoftによると、これはこれまでで最も重要なOSとオンラインビジネスの融合であり、キャンペーンではその利点がしきりに宣伝されている。
Microsoftは、全世界でVistaマシンの出荷台数を大幅に増加させるために、来たるクリスマスや年末商戦(業界にとって最もよく売れる期間)をあてにしている。消費者向け販売では手ごわい競争相手であるAppleの「Macintosh」は、2006年にはWindowsのシェアを奪って市場シェアを大幅に増やした。そしてVistaにとってはこれが最初の年末商戦だが、2007年10月25日にデビューしたばかりのAppleの「Mac OS X Leopard」と比べるとすでに発売後9カ月が経過している。
Microsoftによると、Appleの市場シェア拡大の影響はあまりないという。自社も成長しており、またデジタルライフの一環としてPCを使って何ができるかを消費者が理解していることもあり、市場全体が拡大しているという。
Charney氏は「今度のクリスマスや年末商戦にWindows Vistaが登場するのを、我々はもちろん我々のパートナーも楽しみにしている」と語る。
Appleは2006年にはWindowsに追いつきつつあったが、Bhavnani氏によると製品設計を大幅に見直すか低価格ノートPCを投入するかしない限りさらに市場シェアを拡大するのは困難であり、Appleもそれに気づくはずだという。
しかし景気の先行き不透明感が強まっていることから、Microsoftも難しい局面に遭遇する可能性がある。Bhavnani氏は、今年初めには年末商戦でのPC売上高についてもっと強気な予想をしていたと語る。
「おそらく一部の消費者は、景気後退を懸念して暗い気持ちになっている可能性が高い。今年の年末商戦は、特にノートPCの販売が好調になるだろう。しかし商戦そのものは精彩を欠いたものになりそうだ」(Bhavnani氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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