しかしIDCのアナリストであるAl Gillen氏によると、Vistaへの移行を計画している企業もあるが、一方で大手企業の多くは今でも、購入したPCにただちにWindows XPをインストールしなおすという。
Gillen氏は「それはまったくあたりまえの行動だ」と言う。しかしその結果、互換性チェックや導入支援に役立つ新しいツールを開発して企業のVista移行を早めたいというMicrosoftの望みは大きく後退することになった。
「企業が他のWindows(リリース)のときほど急いでVistaに飛びついていないのは確かだ」(Gillen氏)
過去の例から、大企業は新しいOSの導入にすぐに腰を上げない傾向があるとGillen氏は指摘する。大企業は最先端の仲間入りをするよりも、バグや互換性の問題が解決されるのを待つほうを選ぶからである。したがって、2008年初めに公開される予定の最初のサービスパックアップデートをきっかけとして、Vista導入に踏み切る企業もあるとみられる。
また、一般の利用者や中小企業の中にもダウングレードを選択する例が見られる。Dellをはじめとする各PCメーカーは2007年初め、一般の利用者や中小企業向けマシンに再びXPを投入した。さらに最近では、Vistaマシンを買った人がOSを簡単にXPに戻せるようにするしくみを一部のPCメーカーが提供している。
Ballmer氏によると、XP搭載マシンも多少売られているかもしれないが、消費者が買っているのはVistaだという。
「たしかに、Windows Vistaを搭載していない機種が1つや2つはあるかもしれない。しかし売れているのはすべてWindows Vistaが動くマシンだ」(Ballmer氏)
それでもMicrosoftは、最近になって大手PCメーカーからの懸念の声に屈服した。2008年1月でXPマシンの販売を打ち切るよう要請していたのを事実上撤回し、代わりに2008年6月末までXPを販売可能としたのである。
ただし、Windows XPを選ぶ消費者が少数派であるのは明らかである。Charney氏がCurrent Analysisのデータを引用して述べたところによると、Vistaは現在、小売店の店頭に並んでいるデスクトップマシンの95%に搭載されており、またVista対応ノートPCは小売店の店頭に並ぶ機種の91%に相当する。
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