UPDATE 数年間対立関係にあったIntelとNicholas Negroponte氏が、世界中の子どもたちにPCを届けるべく力を合わせることに同意した。
Negroponte氏が率いるOne Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトはIntelをパートナーとして迎え入れ、同社を今後のサプライヤーの候補に加えることにした。両者が米国時間7月13日午前、発表した。Intelは、Google、eBay、Nortel、Advanced Micro Devices(AMD)に続き、OLPCの11社目の参加メンバーとなる。
OLPCプロジェクトは、世界中の子どもたちにノートPCを渡すことを使命としている。そこには、重大な問題を抱える国々の子どもたちが技術にアクセスできるようにすることで、彼らの教育環境を改善したいという願いが込められている。同プロジェクトの核となるXOノートPCの製造コストは現在約175ドルだが、非営利団体OLPCを設立したNegroponte氏は、本格的な製造が軌道に乗る2007年内に、これを約100ドルで販売する意向を示している。
IntelとNegroponte氏が協力するとは、わずか数週間前には全く考えられなかった。子供たちに教育手段を提供しようとするNegroponte氏のアプローチと、今後有望なPC市場でのシェア獲得を目指すIntelのアプローチは数年前から激しくぶつかっていた。
Intelは発展途上国向けに「Classmate PC」の取り組みを進めている。会長Craig Barrett氏は、OLPCプロジェクトの取り組みを「100ドルガジェット」と呼んで批評した。また、Negroponte氏の方も、5月にCBSの長寿番組「60 Minutes」に出演し、IntelはClassmate PCをコストよりもずっと安く売ることで、開発途上国政府の受注を獲得し、世界中の貧しい子どもたちにPCを渡すという自身の夢を妨害していると、Intelを批判した。
世界最大のチップメーカーとマサチューセッツ工科大学メディア研究所の共同開設者が繰り広げる論争の内容は、時にはささいなものにも思えた。だが残念ながら、PCの力を知らない貧しい子どもたちは世界中にたくさんおり、先進国には、多数の富裕企業でにぎわう巨大なPC業界が成立していることも事実だ。
Intelの社内業務担当コーポレートゼネラルマネージャー兼バイスプレジデントWill Swope氏によると、両者は何度か話し合った結果、意見の相違もあるが共通点の方が多いことに気付いたという。同氏は、「われわれの目指すところは同じだ」と語っている。
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