グローバルブランド普及のなか新興企業が続々登場--香港のウェブビジネス動向 - (page 2)

文:Gang Lu 翻訳校正:吉井美有2007年06月26日 08時00分

新興企業の視野には世界市場

 香港ユーザーがアメリカのサービスを受け入れているのと同じように、香港の新興企業の大部分は海外にサービスを展開することを考えている。このため、彼らは国内のマーケットを大部分無視している。香港企業に関係のある一部の人から聞いたところによると、香港市場は小さすぎ、一般大衆はウェブ技術を完全に使いこなすには関心も知識も不足しているという共通認識があるという。

資金調達は公共主導か

 香港の新興企業の大部分は、世界の他の多くの地域と同じように、とにかく自力で始めてしまう。一部は成長しても自己資金で続けていくが、一部は資金を調達しようとする。香港では国内で資金を調達できることはまれで、国外のVC企業からも難しく、むしろ香港政府から資金を受けている。HKSARGはウェブ関連新興企業を支援するいくつかの仕組みを提供しており(実際にはどんな新興企業でも支援の対象になる)、これにはプロジェクトを始めるための資金や場所を割り当てることが含まれている。

大企業の動き

 大企業(Yahoo! Hong Kong、Google、その他)による、Web 2.0サービスを一般に広げようとする先駆的な試みは存在しないようだ。これらの企業が取る道は既存のグローバルなサービスのローカライズされたバージョンを提供することだ。現地市場のための独自のサービスを開発する方策はとっていない。

 Yahoo! Hong Kongは香港の人たちが最もアクセスするページだが(Alexaによる)、彼らはWeb 2.0サービスの提供にはあまり積極的ではない。人気のあるサービスのローカライズされたバージョンには、Answers(Yahoo Knowledgeとしても知られる)とMaps(香港の住所は使えない)が含まれている。Travel(旅行)やReal Estate(不動産)などは、アメリカのYahoo!のサービスをローカライズしたものだ。有名なYahoo! Blogsの他に、香港オフィスはHui Bin Doeと呼ばれるウェブサービスを持っており、これはレストランや食べ物や店を評価し、レビューし、推薦するものだ。しかし、レストランに関する詳細な記事は、ユーザーに完全に依存したものではなく、選ばれた情報源に頼っている。

 Google--Yahoo! HKと同様で、Googleも人気のあるサービスをローカライズしたサービスだけを提供している。例えば、Docs、Notebook、Bloggerなどだ。

 PCCW--地元の大手通信事業者であるAPPWは、Snaap!と呼ばれるFlickr的な写真と動画の共有サービスを提供し、Web 2.0の世界へ飛び込んだ。しかし、このサービスは同社のサービス利用者に対してのみ提供されている。

 この記事はRead/WriteWebで国際的なウェブ市場について継続的に追いかけている企画の一部である。これまでに扱った国には、ドイツ、オランダ、ポーランド、韓国、イギリス、ロシア、スペイン、中国、トルコ、イタリア、ブラジル、フランス、日本、インド、オーストリア、スウェーデン、オーストラリア、ハンガリー、セルビア、クロアチア、ラトビア、アイルランドがある。

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