香港では、中国を除くアジアの多くの国同様に、2007年もまだWeb 2.0へのキャッチアップが続いている。これは、企業の先導的な取り組みの欠如、市場の知識と関心の欠如によるものだ。Web 2.0に関する情報が多く出回るようになったのは2006年終盤に過ぎない。そのころから、香港では新興企業の数も増え、一般へのサービスのリリースが見られるようになった。
Web 2.0はまだ目新しいものだが、香港の市場はこの流行を追っている。香港のユーザーはアメリカで認知されている有名なサービスに馴染んでおり、それらのサービスを取り入れる可能性は強い。実際、香港のユーザーはローカルサービスも含め中国のサービスを使う可能性は低く、香港独自のサービスを作る可能性はさらに低い。このため、香港で人気があるのは、Flickr、YouTube、MySpace、Google、Yahoo、そしてその他のブランドが認知されているウェブサイトだ。
イノベーションの観点からは、興味と創造性の欠如と「なぜ既にサービスがあるのに作らなくてはならないのか」という人々の態度を別にすれば、香港の市場での開発の障害になっている問題の一部となっているのは、オンライン資源とローカライズされたAPIの欠如(例えば、一部のAPIは北米市場に特化したものだ)と言えるだろう。よくあるYahooとGoogle Mapsとの地図のマッシュアップやその他の種類のマッシュアップは、香港では存在しない。香港ではクローンもほとんど見かけない。これは中国とは大きく違うところだ。
ここ1年ほど、多くの新興企業ができており、彼らのサービスも市場に出ている。この記事の執筆時点では、香港で運営されている新興企業はほんの一握りだ。香港で登記しながら、中国本土に進出して労働力を活用したり中国の瀬踏みをしたりする新興企業もいくつかある。香港は中国の一部ではあるが、香港の新興企業は、中国市場で中国企業と競争するうえで他の外国企業と同様の困難を抱えている。
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