北京発--Web 2.0のとりこになった場所を見てみたいなら、シリコンバレーではなく、中国がおすすめだ。
中産階級の増加、会社設立にかかる費用の安さ、PCやインターネット対応携帯電話の普及率の上昇、GoogleやAmazon.comのように多国間事業を展開するよりも国内市場を活用する能力といったさまざまな要因により、ウェブサイト、オンラインゲーム、斬新な広告を手がける企業の急増に拍車がかかっている。
利幅は小さく、競争も激しいが、勝者には巨額の見返りがある。
こうした勝者の1人が、動画共有サイト「KU6.com」を立ち上げたKevin Li氏だ。Li氏は、私がこれまで会った中でおそらく最も情熱的な人物だ。
Li氏は、天井のタイルをはめたりエレベーターを修理したりしている作業員たちのそばを駆け抜け、私を出迎えた。同氏は「あなたはわれわれの新オフィスで初の訪問者ですよ。ハハ!」と声を張り上げ、旧オフィスは賃貸だったと付け加えた。
Li氏が興奮気味なのには多くの理由がある。2006年9月の開設当初、KU6.comは中国で200を超える新興ビデオ共有サイトの1つに過ぎなかった。現在は、最も急速に成長している生き残りの1つだ。同氏によると、2007年5月の最終週のユニークユーザー数は200万人で、これまでの1日当たりのユニークユーザー数は、曜日による変動をならすと20万人ずつ増加してきたという。ウェブトラフィックの格付けを行う「Alexa」によると、KU6.comは中国の人気サイトの46位にランクされているという。KU6.comではこの3カ月間、収支が均衡している状態だ。
KU6.comの広告主には、2006年は家電メーカーのHiSenseやPC大手のLenovoなどが含まれたが、現在はWalt Disney、Nokia、McDonald's、Motorola、Nike、Ford Motorなども名を連ねている。中国の検索市場で約70%のシェアを支配する百度(バイドゥ)は、KU6.comとの2年間の提携と同社への投資を決定した。ベンチャーキャピタル企業Draper Fisher Jurvetsonも最近、KU6.comに投資している。
われわれの見学ツアーは、営業チームを訪問することから始まった。営業チームには、中国の大手ポータル「Sohu.com」で成績トップの営業マンだった人物も含まれている。その後われわれは、ドアを取り付けている作業員の横をぞろぞろと通り過ぎ、技術チームと、以前中国の国防機関に勤めていた最高技術責任者(CTO)に会った。
そして、新しい動画スタジオを訪れる時がきた。このスタジオには、KU6.comの広告主やトップクラスの投稿者がクリップの撮影のためにやってくる。
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