Focusは2003年に設立され、2005年に新規株式公開(IPO)を行った。1株あたり17ドルだった同社の株は、現在およそ44ドルで取引されている。2007年第1四半期の売上は前年同期比75%増の5810万ドルで、利益は73%上昇し1630万ドルに達した。
この急速な成長と、多少変わった広告展開モデルは、かつて印刷物やテレビに重点を置いていた企業家や地元広告主の「考え方を変えた」と、WealinkのプレジデントIan Chin氏は話す。Wealinkは、ソーシャルネットワーキングサイトLinkedInの中国語版とでも言うべきサービスを提供している。「人が待つ場所には、それだけ人の目もあるということだ」
うわさは急速に広まった。「Focusが株式を公開した後、同社の幹部たちは(エレベーターに乗った際)ロビーではなく、地下1階のボタンを押すようになった」と、Focusと同じビルで働くChin氏は語る。幹部たちは、ロビーから歩いてビルを出る代わりに、地下1階から駐車場に移動して彼らの新しい車に乗り込んだ。
中国市場の新興企業を対象とした投資情報サービスを提供するZero2IPO Groupの最高経営責任者(CEO)、Gavin Ni氏は、新規事業の動きの多くは、技術重視というより、国内市場で比較的手付かずの部分に参入する傾向があると主張する。
「中国は開発途上国であり、それゆえ人民は今ブランドと一貫性を求めている。衣類、食品、飲料は関心が高い」とNi氏は指摘する。
多数の中国企業の成功は、多国籍企業が払った苦労をふまえて実現した。2位のGoogleは首位の百度に大差をつけられている。「国産を買う」という傾向は見逃せないものの、外国のベンダーは文化の微妙な差違を無視してきたと、多くの中国人が口をそろえる。
IncesoftのCEOのMax Yuan氏によると、たとえばGoogleの場合、中国語(漢字)の名前を文字ごとに区切って検索をかけるため適切な結果が得られないが、百度など中国の検索エンジンは優れた仕事をしているという。中国での事業展開に役立てるために、YahooはAlibabaと提携し、Amazon.comは中国のオンラインブックストアJoyoを買収した。
ビジネスモデルも中国の事情に合わせる必要がある。Focusが所有する8万3000台以上のスクリーンネットワークは、実際にはネットワーク化されていない。スクリーンがネットワークで接続されると、テレビネットワークを構成するものと見なされ、政府がコンテンツの監視を強要することになる。そうした理由から、Focusは中央サーバーから広告を配信するモデルを採用していない。その代わり、スタッフが毎週、自転車でスクリーンの設置場所に行き、スクリーン背部のメモリーカードを交換しているのだ。こうすれば、役人にとっても問題はないと、Shiong氏は説明する。
動画の分野では、KU6.comが金銭欲という普遍的な欲望を利用して成長を遂げた。米国の動画共有サイトRevverと同じように、KU6.comは広告売上の一部を動画の投稿者に提供しているが、同社はさらに一歩先を行っている。報酬獲得額の上位10名と動画投稿本数の上位10名のリストをKU6.comのホームページに掲載することで、このネットワークへの参加をビデオゲームのようなものに変えているのだ。KU6.comは、トップの報酬獲得者たちのデータを、当日、当月、サイト開設以来のそれぞれで提供している。動画投稿者は、広告売上の10%から50%を獲得する。
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