急成長する中国のWeb 2.0企業--成功のカギは市場への適応 - (page 4)

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、高森郁哉2007年06月19日 16時00分

 KU6.comのLi氏は、さまざまな広告掲載方法を提供している。広告主は広告を流す位置を動画の前と後から選ぶことができ、前に流すのは最も人気が高いという。KU6.comはまた、コンテストも開催している。たとえば、乳製品製造企業のYiliは、最高の広告を考案した人に10万人民元(1万3000ドル)の賞金を贈った。このコンテストには、アマチュアとプロの両方から500以上の動画が集まり、ページビューは1800万に達した。2006年9月から最も多く報酬を得た人は、大学新卒者の多くが1年間に稼ぐ額よりも多い5700ドルを手にした。

 2007年5月の投稿数ランキングで1位の人物は、同月に7089本の動画を投稿した。「つまり、この男性は毎日200以上の動画を投稿したことになる。彼に給料を払ったりオフィスを提供することはないが、利益は分配する」とLi氏は話す。

 また、「控えめな」広告もある。Li氏は、広告主のために、プロダクトプレイスメント(映画やテレビ番組などで製品を露出する広告手法)による広告動画を投稿者に制作させている。ある動画では、孤独について語りながら1人で通りを歩く無愛想な十代の若者が、MP3プレーヤーを持っている。

「ほら、Samsung(Electronics)製だ!」とLi氏は笑って話す。

 こうした活況を促進するもう1つの要因として、中国ではメディア企業を立ち上げ運営するのに費用があまりかからないことが挙げられる。従業員数40〜50名規模で成長中の新興企業であれば、1カ月に50万人民元(6万7000ドル)で回るだろうと、Shiong氏は語る。

 これとは対照的に、半導体企業や製造企業は、施設、知的財産、土地と、往々にして多数の従業員を必要とする。これらの企業は、国内で完結するメディア企業やソフトウェア企業と違い、国外で製品を売る努力をしなければならない。

 「(メディア企業に)必要な物量はごくわずかだ。生き残ることも難しくない。問題は、発展できるかどうかだ」とShiong氏は話す。

 大手を目指すメディア企業は、一瞬たりとも休めないことを知っている。

 「死ぬか稼ぐかのどちらかだ」とLi氏は語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]