したがって、eBayがウィジェットを持つということは大きな動きだ。これらの華やかな(虚飾にも思える)eBayユーザーの部隊をあらゆる場所に持つことは、それぞれのオークションのトラフィックを増やすうえで役だち、最終的にはeBayのユーザー基盤を成長させることを可能にする。次回は、もしうまくいけば、eBayはユーザーがeBayのウェブサイトに行くことなく取り引きを行うことができるようにするだろう。これは本物の分散オークションシステムになるだろうし、うまく行きそうだ。
では、不利な点や欠点はなんだろうか。1つeBayの間違いのように見える点は、ウィジェットが大きすぎてブログのサイドバーに収まらないことだ。記事の中にウィジェットを埋め込むのも悪くはないが、記事はすぐに古くなってしまうものだ。eBayはサイトに永久的に置いておけるよう、ブログの縦のサイドバーに収まるウィジェットをリリースする必要がある。しかし、これはおそらく初期に得られるユーザーからのフィードバックに基づいて修正されるだろう。
eBayの新しいウィジェットは大きな動きであり、同社のウィジェット配布戦略の始まりに過ぎない。しかし、ウィジェットの向こうにあるものを視野に入れると、eBayのウェブサービスと総体的なユーザー体験の欠如の奇妙な組み合わせには問題がある。
eBayは核となるオークションに加えるキラーサービスを探して、すぐにいくつかの道を歩むように見える。しかし、インターフェースが一貫性を欠いていることとメタファーの不整合には改善の必要がある。自然の摂理は混沌から秩序を生み、ほとんど魔法のように自己組織化することで知られているが、ウェブシステムは設計されたときに最良のものとなる。eBayがサービスの混沌を収益に変えることは可能だが、提供しているサービスを1つの一貫した形で統合し、整理し、メッセージを発信すれば、より効果的になるだろう。
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