Boot Campが初めてリリースされたとき、ビデオゲームを制作するDestineerでは、MacユーザーがそのうちMac版ゲームを購入しなくなり、Windows版ばかり利用するようになるかもしれないとの懸念があったと、同社で「MacSoft」レーベルのゼネラルマネージャーを務めるAl Schilling氏は話す。MacSoftレーベルとは、ビデオゲームをMac OS X用に移植している部門だ。しかし、Mac用ゲームソフトにBoot Campの影響は見られない。このことからSchilling氏は、Leopardのリリースで状況が一変するとは思えない、と述べた。
Boot Campのようなプログラムを開発していること、そしてMac用ゲームへのアプローチに熱がこもっていないことから判断すると、Appleはどうやら、コアなゲーマーを追いかけるのはWindowsをサポートする企業に任せる決断をしたようだと、NPD GroupのアナリストStephen Baker氏は言う。
Windowsベースのパソコンの世界は、ゲーマーを大切にする。それが、市場に出ている中で最高のものを手に入れようと、新しいPCや関連機器に何千ドルものお金を出す人々ならなおさらだ。Falcon NorthwestやVelocity Microといった小規模なPCメーカーは、ほぼ完全にこのグループのみを意識してビジネスをしているが、大企業もゲーム市場の利益にあずかりたいのは同じだ。たとえば、Dellは2006年にAlienwareを買収し、またHewlett-PackardもVoodoo Computersを買収した。こうした企業の顧客を取り込んで、もうけの多い市場にアピールする方法を学ぶのが目的だ。
しかしAppleは、「Mac Pro」のようにゲーマーを満足させる製品があるにもかかわらず、Windows陣営ほどこの分野を必要としていない、とBaker氏は指摘する。
「この分野は(Windows陣営にとって)有益だ。なぜなら、Windows陣営には、ローエンド市場で利益を上げる確実な方法がないからだ。しかしAppleには、直接もっと大きな利益を得る手段がある。そもそも自社の主要分野の市場が比較的収益性が高いため、そうした小さなニッチ市場を模索する必要がないのだ」(Baker氏)
ゲーム市場の成長の大部分がゲーム機本体に向かっていることからすれば、Appleの姿勢もまんざら悪くないかもしれない、とBaker氏は分析する。
しかしゲーム開発者は当然のことながら不満だ。Appleが、ゲームでのMacの性能をあと少し改善し、利用しやすくしてくれたら、もっと多くの開発者がMac用のゲームタイトルを開発するようになるのに、というのがゲーム開発者の意見だ。そうすれば同社の市場シェアも大きくなり、さらに多くのゲーマーが惹きつけられて、市場が活性化するはずだという。
「Appleがこの分野をもっと深く追求すれば、(ゲーム市場との間に)つながりができ、Macのゲーム市場が拡大して、市場シェアの拡大にも貢献すると思うのだが」と、AspyrのAdams氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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