Intelは、過去に同社の「Core 2 Duo」プロセッサの方がAMDのプロセッサよりも性能が高いという大胆な予測を発表したことがある。今後はAMDが、2007年第3四半期にシステムに搭載予定のBarcelonaについて、同じような予測を立てている。
AMDで販売およびマーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるHenri Richard氏は、「Barcelonaは、発表当時のOpteronよりもすばらしい製品になっている」と述べた。同社は、Barcelonaが再び同社をIntelより先へと導いてくれると信じている。
最近AMDのサーバ事業は苦戦を強いられている。同社は、Intelの最新のデュアルコアおよびクアッドコアサーバプロセッサに対抗するため、サーバチップの価格を下げてきた。このため第4四半期の売り上げは振るわず、それでもサーバ市場のシェアをIntelに奪われることを避けることはできなかった。
しかし同社は、同社より規模の大きいライバルであるIntelに立ち向かうことに決めた。「われわれはおとなしすぎたようだ」とRichard氏は述べた。
AMDのコンピューティング製品グループのエグゼクティブバイスプレジデントであるMario Rivas氏によると、算術演算速度を測定するベンチマークである「SPEC_fp」で比較した場合、Barcelonaの浮動小数点演算性能は、Intelの「Xeon X5355(開発コード名:Clovertown)」よりも42%高くなる予定であるという。AMDは、より一般的な整数演算処理性能を測定する「SPEC_int」では、BarcelonaはClovertownよりも10%以上性能が高くなると述べたが、具体的なデータは示さなかった。
Intelは、プロセッサのほかにもAMDと競合する製品の開発を進行中である。性能面を見れば、同社は、デュアルプロセッサマシン向けのチップとチップセットを2007年後半にリリースすることを予定している。フロントサイドバス(FSB)のクロック周波数を現行の1333MHzから1600MHzへ向上するという。FSBが高速になると、メモリとのデータのやり取りで生じる遅れを解消することができる。
Kilroy氏によると、Intelはさらに、4基以上のプロセッサを搭載可能なマルチプロセッサマシンに対応したハイエンド向けの新しいXeonプロセッサを第3四半期にリリースする予定だという。現在提供されている「Tulsa」(開発コード名)チップで、現行のアーキテクチャ世代が終了し、同社の新型チップである次世代の「Tigerton」(開発コード名)からは、Coreマイクロアーキテクチャが採用される計画になっている。Kilroy氏によると、次世代チップでは電力効率が見直されているため、Tulsaとは異なり、ブレードサーバに搭載可能だという。
Kilroy氏によると、Intelはまた、同社の仮想化技術を拡張して、コンピュータの入出力(I/O) サブシステムを備えた「VT-d」という技術を2007年にチップやチップセットに搭載する予定だという。現行の仮想化技術では、仮想マシンという分離したパーティションを区切り、1基のプロセッサで同時に複数のOSを容易に稼働することができる。VT-dは、仮想化したインターフェースをハードドライブやネットワークのようなI/Oデバイスに割り当てることができるとDavis氏は述べる。
「仮想ストレージや仮想I/Oは、次に取りかかるべき大きな取り組みだ。われわれはこの分野でもリードしていくつもりだ」(Davis氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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