「ゲーム内広告」が日本で大きく注目されはじめたのは、Microsoftが2006年5月にMassiveを2億ドルで買収すると発表したときからだろう。その後、2007年に入り、Googleが同業大手のAdscape Mediaを買収するという観測も出てきた。何かと比較されることの多いこの2社が、そろってゲーム内広告市場に食指を伸ばした。これで、注目するなというのが無理な話である。
日本の状況はどうか。まず、インターネット広告全体で見てみる。電通が2月20日に発表した報告書では、インターネット広告の伸び率は前年比29.3%増の3630億円。雑誌広告費(3887億円)に匹敵する水準となってきていることが分かる。しかし、その報告書には、You Tubeをはじめとする動画の隆盛やケータイメディアの増大、キーワード連動型広告のことは触れられているが、ゲーム内広告のことは述べられていない。
「現在、日本におけるゲーム内広告は、広告の方向性が定まっていないところもあり、無から有を産む作業に近いです」(アドバゲーミングのシニアマネージャー横地潤氏)
アドバゲーミングは、オンラインゲーム内広告、宣伝の企画、開発、マーケティングなどを手がけている。オプト、テクノブラッド、エーシー、電通ドットコムの4社が出資し、2006年8月31日に設立された。現在の事業は、インターネット広告におけるレップ事業が中心となっている。
一言でゲーム内広告といっても、その定義はさまざまで、特に日本においては人によって捉え方が異なり定まっていない。同社では、ゲーム内広告は以下の3種類あると考えている。このうちの1つだけを指して、ゲーム内広告と捉えている向きも多いの現状だ。また、ここでいう「ゲーム」とは、パッケージ販売される一般的なゲームソフト(コンソール)やアーケードゲーム、ネットワークを介したオンラインゲーム、携帯電話で動くゲームなどをすべて指す。そして、さらにその先には、GoogleのGoogleマップやMicrosoftのVirtual Earthなどの3D世界、Second Lifeなどの仮想世界などにおけるプロモーションなども視野に入る。
「私たちも、当初から分かっていた訳ではありません。整理整頓しながら仕事を進めていくうちに、この分類に行きついたというのが正直なところです」(横地氏)
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