マサチューセッツ州スプリングフィールドに住むアーティストのAlida Saxonさんは2007年2月中旬の週末、自分のブログを見て何かがおかしいことに気がついた。写真共有サイト「Flickr」の自身のページに登録した写真をブログに自動表示するよう設定していたのだが、サムネイルの1つが、身に覚えのない写真だったのだ。
問題の写真は水泳用のプールを写したものだった。Saxonさんはこの写真のリンクをクリックして、Flickrの自分のページにアクセスした。すると、奇妙なことに、自分の登録した写真の1枚がこのプールの写真と入れ替わっていた。
Saxonさんは「(Flickrの)自分のアカウントがハッキングされ、誰かが画像をすり替えるいたずらをしているのだと思った」とメールに書き、CNET News.comに送ってきた。それからすぐ、Saxonさんは「Flickr Help Forum」にアクセスし、他の多くのユーザーも、Flickrに登録した写真がランダムに入れ替わるという、同じ問題に遭遇していることを知った。ただし、入れ替わった写真はプールの写真のように害のないものばかりではなかった。
FlickrユーザーのDaniel J. Weissさんは同フォーラムに「Flickrのサイトをオフラインにするべきだ--現在、わたしがアップロードした写真には、ありとあらゆるひどいポルノ写真が混ざっている」と投稿し、子供を含む家族が自分のページを見てしまう危険性を指摘した。「同じ目に遭っている人がたくさんいることは確かだ。まったくひどい」とWeissさんは書いている。
Flickrの共同創設者、Stewart Butterfield氏は、同社がこの問題を重く受け止め、サイトを数時間オフラインにして作業を行い、すでに問題を完全に解決したと述べた。同氏は、「この問題の再発、および類似の問題すべてについて、その防止に最大限努める」とメールに書いている。
サーバの問題により起こったとButterfield氏が説明する今回のトラブルでは、米国時間2月17日午前に人数は不明ながら多くのFlickrユーザーが影響を受け、19日にも散発的に同じ現象が起こっている。消費者や監視団体の一部からは、謝罪以上のものを求める声もあがっている。
たとえば、あるFlickrユーザーは、今後こうした混乱を避けるために、アダルト系コンテンツを含むとみられる「非公開」指定の写真を、公開している写真とは別のキャッシュサーバに保管するよう提案している。Flickrの場合、ユーザーは自分がアップロードした写真について、完全に公開する、限られた数の他のFlickrユーザーだけにアクセスを許可する、完全非公開にして自分しか見られないようにする、という設定が可能だ。
一方、Googleの提供するPicasa Web Albumsの場合、ユーザーは自分のアルバムについて、公開あるいは「unlisted」(非公開)モードを選べる。また、CNET News.comの出版元であるCNET Networksが所有するサービスWebshotsでも、ユーザーは写真の公開、非公開を選択できるが、「アダルト系コンテンツ」のアップロードは許可していない。
「率直に言って、わたしのサイトを訪れた人が誰かの股間の写真を目にするような事態になるのは嫌なので、心配になった。Flickrには、ひどくいやらしい写真もある。こうしたものはFlickrでも別の場所に保管されるべきだ」とSaxonさんは述べている。
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