Revverの経営層が競争力のあるビジネスプランを確立することに本気の姿勢を見せ始めてから、まだ1年も経っていない。株式未公開の同社はウェブで人気のアマチュア映像制作者とハリウッドの映画会社の双方に訴求するサービスを押し出そうとしている。Revverに投稿された映像の広告収入を映像制作者と分け合うというものだ。
収入を分け合う戦略が功を奏し、Revverは、大人気となった映像「The Diet Coke & Mentos Experiments」を制作したアーティストらの誘い込みに成功した。だがその後、MetacafeやBreak.comなどの競合企業も収入分配のモデルを打ち出している。直近ではYouTubeがまもなく映像制作者に利益を還元する意向を明らかにしている。アナリストらは、これを受けRevverの優位性は薄れつつあると指摘する。
Revverの状況に詳しいある情報筋によれば、大手エンターテインメント企業との交渉となると、そのほとんどから同社は提案を断られているという。映画会社の幹部らは、プロの手による映画会社の作品とアマチュアの作品が、収入分配において同等に扱われることが気に入らないのである。
「映画業界はRevverの提案を、『われわれの高品質なコンテンツを、素人の投稿した映像と同じ条件で手に入れられると思うなんて、頭がおかしいのではないか』と一蹴している」と上述の情報筋は言う。
映画業界の望みは、プロの手による作品がアマチュアの作品とは違う待遇を受けられるようにすることだ。その後もRevverの収入分配モデルは変わっていない。それどころか、Revverは映画会社と提供する計画を棚上げしてしまっていると、複数の情報筋は述べる。
こうして映像共有サイトが大ブレイクしてから1年ほどが経ち、Revverが窮地に立たされていたころ、Microsoftが市場に参入した。
登場して間もないMicrosoftのSoapboxは、ほかの映像共有サイトと比べてもあまり変わりがなく、訪問者が映像を投稿し、ほかのユーザーと共有するものとなっている。YouTubeにはない特徴的な機能としては、ユーザーが映像を見ながら、ほかのクリップを検索できることが挙げられる。
Microsoftの市場参入がやや遅かったとの指摘に対してMSNのBennett氏は、新興企業とMicrosoftは違うといって応酬している。Microsoftはすでに広告主やエンターテインメント企業との信頼関係を構築しているというのが同氏の主張だ。またもっと重要なことは、MicrosoftにはYouTubeに対抗できるだけのトラフィックがあることだと同氏は述べる。
「(MSNには)YouTubeの12倍のオーディエンスがいる。われわれは自分たちの獲得したユーザーの特性をよく理解している」(Bennett氏)
Benett氏はYouTubeが過去にトラフィックを収入に変えられなかったことについても皮肉を述べている。「われわれには、2004年から映像のストリーミングで収入を得てきた実績がある。MSNのサイト上でSoapboxを利用し、収入を得る方法はいくらでもある」(Bennett氏)
最後にBennett氏は、Microsoftが、黎明期に市場をリードした競合企業を恐れていないと述べる。同社は今後、Soapboxへの機能追加や改良を行う予定で、そのための時間もまだたくさん残されているとBennett氏は述べる。
「われわれには、競合より少しだけ長い目で投資していくだけの体力がある。これは、長期的に見た場合にユーザーにとって何が最も大切なのかをじっくり考えられることを意味する」(Benett氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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