Verizon Wirelessは米国時間11月29日、同社の「V CAST」ビデオサービスの一環として、12月初めよりビデオ共有サイトRevverのコンテンツを提供開始する予定であることを発表した。Revverは利用者がビデオをアップロードし、共有することを可能とするサイトであり、YouTubeの競合企業でもある。Verizon Communicationsと欧州のVodafoneが共同出資する携帯電話事業者Verizon Wirelessは今回の発表を行う前日には、ビデオ共有サイト分野のトップを走るYouTubeからビデオクリップの提供を受けると発表していた。
Verizon Wirelessがビデオ共有サイトとの提携に意欲を示す背景には、モバイルビデオサービスの提供により、5700万人の加入者にさらに毎月15ドルを追加で支払わせたいという強い思いがある。第3世代(3G)通信ネットワークへの巨額の投資を回収するのがその目的だ。
Verizon WirelessやSprint Nextelといった大手携帯電話事業者は、これらのネットワークを構築するために多額の資金を投じている。そのためこれらの企業は有料のビデオコンテンツなどの新サービスを通して収入を増やす必要がある。たしかに3G網は、電子メールといったほかのデータサービスで利用することもできる。しかしそれを使って音楽やビデオを配信する方が、消費者に対する訴求力は強い。同社の希望は、ユーザーによって作成されたビデオが、これまでのところ精彩を欠いていた同社のサービスに対する需要を喚起してくれることだ。
「モバイルでビデオを見るというのは、携帯電話の利用方法としてまだ広く受け入れられていない」とYankee GroupのシニアアナリストであるJill Aldort氏は言う。「このサービスは価格がまだ高すぎる。市場はまだ、1カ月につき15ドルも余分に支払うほど、ビデオが魅力的だと考える段階には至っていないと思う」(Adort氏)
IDCの予測によると、米国の携帯電話加入者2億3000万人のうちわずか690万人(全体の3%に相当)が、2006年末までに携帯電話を使ってビデオを視聴するようになるという。この数字は今後少しずつ増えるだろうが、アナリストらは、モバイルテレビがすぐに普及するとは考えていない。IDCは、2010年までには米国の携帯電話加入者全体のうち、携帯電話でテレビを視聴する人はわずか9%となると予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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