NovellとIntelは米国時間2月12日、仮想化ソフトウェア「Xen」で実行する場合の「Windows」の性能を向上するソフトウェアを発表した。
Xenは、単一マシン上で複数のOSを実行可能とするオープンソースの「hypervisor」である。このような機能は、より少数のサーバをより効率的に使用して統合的に作業する際に便利である。しかし、Linuxは比較的うまくXenで動作するのに対し、XenでWindowsを実行する場合のネットワーク性能は現在のところ、控えめに言っても非常に悪い状況だ。
NovellのLinuxおよびオープンプラットフォームビジネス向け製品管理担当バイスプレジデントであるCarlos Montero-Luque氏によると、IntelとNovellが共同開発して修正したXenでは、この問題が解決されており、仮想マシンにおけるWindowsのネットワーク速度が、物理マシンでの実行時とほぼ同程度にまで改善されているという。
Montero-Luque氏は「今回のソフトウェアを利用しない場合、ネットワーク性能は非常に低く、(物理マシンでの)速度の10%未満であった。ソフトウェアを利用すると、物理マシンでの速度の90%以上を達成することができる」と述べた。
両社の提携は、仮想技術の発展における技術的課題を示すとともに、それらの課題を解決するために企業間の協力が重要であることを示している。仮想化は、コンピュータのハードウェア、hypervisor、OS、および管理ソフトウェアなど、多くの異なる技術の層が積み重なって実現されている。
WindowsをXenで実行するには、IntelのVT技術「Intel Virtualization Technology(VT)」またはAdvanced Micro Devices(AMD)のVT技術「AMD-V」など、最近の「x86」チップに搭載されている仮想化技術がまだ必要となる。Intelオープンソース技術センターのチーフ技術者であるDirk Hohndel氏によると、今回開発された新しいソフトウェアにより、ネットワークおよびディスクアクセスがかなり高速になるという。
Hohndel氏は「ホスト(Xen)OSが介在しなくなると考えてよい。ゲスト(仮想マシン)OSがデバイスに直接アクセスするのだ」と述べている。
Montero-Luque氏によると、Novellは、同社の「Suse Linux Enterprise Server 10(SLES 10)」にオープンパイロットプロジェクトとして同ソフトウェアをリリースするという。2007年春に「Xen 3.0.4」を搭載して出荷予定の「SLES 10」の「Service Pack 1」としてすべての顧客向けに同ソフトウェアをリリースすると同氏は述べた。同ソフトウェアは、IntelのVTまたはAMD-Vで動作するという。
さらにNovellは、Microsoftと同社との特許および技術に関する提携により、ライバル企業であるMicrosoftが、SLESによるXenプラットフォーム上で「Windows Server 2003 R3」を実行するユーザーに対し、共同で技術サポートを提供することを発表する予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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