Novellの最高技術責任者(CTO)であるMarkus Rex氏は、同社が新版のLinuxサーバ製品に導入した仮想化環境である「Xen」が不安定であるという批判に対し、パートナー企業であるハードウェアベンダーから支持を得ているとして反論した。
オーストラリアのシドニーにあるNovellのオフィスで現地時間8月10日、Linux市場のライバルであるRed Hatから、Xenが企業環境での利用に耐えられるだけの安定性がないと指摘されたことについて、Rex氏が応酬した。同氏は、Novellが同社製品「SUSE Linux Enterprise Server」で、ベンダーとしては初めて、LinuxディストリビューションにXenを導入したと主張している。
Xenは元々、米国の新興企業XenSourceで開発されたもので、ユーザーが同じハードウェア上で、複数のOSをバーチャルマシンとして実行可能にする機能を持つ。
「過去10カ月ほどの期間では、Xenオープンソースプロジェクトに対するNovellの貢献の度合いが2番目に大きかった。つまり、われわれは企業がXenプラットフォームを導入できるようにするため、最も大きく貢献したと言ってよいのではないか」とRex氏は述べた。
Red Hatは、Novellによる新しいサーバ向け製品こそ、Xenが企業で利用可能であることの証左だと捉えるべきだとRex氏は付け加えた。
「IBM、Intel、AMDなどのハードウェアベンダーがハードウェアの仮想化を行っている。これらの提携先企業は、『この技術はもう完成している。SUSE Linux Enterprise Serverに搭載されたXenによる仮想環境を全力で支援する』と言っている」と、Rex氏は語った。
「他のベンダーがこのような行動をしないのは、準備が進んでないからだ」とRex氏は述べた。
他の企業がXenのサポートについて慎重な姿勢を見せるなかで、NovellはLinuxディストリビューションに初めてXenを採用した実績がある、とRex氏は述べた。
「特定の新技術について、いつ導入するかを決めるのはベンダー自身だ。われわれは常に技術の最前線におり、Novellが初めてXenの導入したのは、自然なことだと思う」とRex氏は述べた。
しかし、最先端を走る企業であることを喧伝しておきながら、Novellは従業員の全PCへのLinuxの導入をまだ終えていない。同社はこのLinux導入計画を2年以上前に発表している。
Rex氏はこの点に関して、「まだ継続中のプロセスだ」としているが、同社はこの2年越しのゴールへまだたどり着けていない、と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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