カリフォルニア州ビバリーヒルズ発--米国時間8月15日から16日にかけて開催された第4回「DisplaySearch HDTV Conference 2006: The Future of Television」は、アナリストやハードウェアメーカー、小売業者、映画会社、ソフトウェアメーカーなどが一堂に会して、HD DVDとBlu-ray Discとの規格争いがどのような決着にいたるかについてそれぞれの意見を戦わせた。
カンファレンスを主催するDisplaySearchの創設者で同社プレジデントのRoss Young氏によると、どちらの規格の陣営も「長期戦で戦い抜くつもりでいるようだ」という。
しかし、DVDオーサリングソフトウェアを制作しているSonic Solutionsの先端技術グループ担当バイスプレジデントJim Taylor氏は、両規格の対立は「デタント(緊張緩和)」状態に落ち着く可能性もあるとの見方を示している。
現在米国で発売中の次世代DVDプレーヤーは4機種ある。HD DVD規格のものが3機種とBlu-ray Disc規格のものが1機種だ。しかし、今後発売が予定されている6機種は、すべてBlu-ray Disc規格のプレーヤーとなっている。DisplaySearchによれば、現行4機種それぞれについて販売開始から6週間の売れ行きを見ると、販売台数ではHD DVDのものがBlu-ray Discプレーヤーを33%上回ったが、売上高ではBlu-ray Discの方が42%上回っているという。
Blu-ray Disc規格は、単層ディスクに7時間分の映像コンテンツが記録でき、ハリウッドの大手映画会社7社、家電会社11社、大手IT企業4社、さらにはElectronic Arts(EA)やVivendi傘下のUniversal Music Group(UMG)などゲーム業界と音楽業界の大手が支持している。
HD DVD規格は、単層で現行のSD DVD規格の約2倍に当たる4時間分の記録が可能であり、映画会社5社から支持を受けているが、Universal StudiosとThe Weinstein Co.の2社以外はBlu-ray Disc規格にも対応している。
秋から年末にかけては多くの映画タイトルやプレーヤーの発売が予定されており、両陣営の競争は激化すると予想される。当然、どちらの陣営も次世代DVD規格競争で勝利を収めようとしているわけだが、どちらの陣営からも、高品位テレビが普及するにつれ、投資に見合う価値のある高品位のコンテンツが求められるようになるだろうという点では、異論は出ない。画面サイズが大きくなれば、画質ももっと解像度の高いものが求められる。
DVDプレーヤーは、2003年の2000万台をピークに販売台数が減少しており、「次世代規格への移行に向けて機が熟した」とYoung氏は見ている。
しかし、消費者の方はどうだろうか? Sonic SolutionsのTaylor氏は、VHSからDVDへの移行に比べれば、次世代DVDへの切り替えはスムーズに進むと考えている。消費者は既にDVDを見慣れているし、画質や双方向性が向上することも知っているため、HD DVDと Blu-ray Discのどちらを選ぶにせよ、かさばるビデオカセットからキラキラ光る丸いDVDディスクに切り替えたときよりも、たやすくできるというわけだ。
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