Warner Bros. Entertainmentは米国時間20日、同社の家庭用ビデオ部門が、Blu-ray Discフォーマットの高品位DVDをリリースすることになったと発表した。これにより、次世代DVDの規格争いでHD DVD陣営と対立するBlu-ray陣営がさらに有利な形勢となった。
WarnerはこれまでHD DVDフォーマットで映画作品を供給すると決めていたが、今回の決定でBlu-rayでもタイトルをリリースする2つめの大手映画会社となった。ただし、2つのフォーマットをサポートする流れは一方的なもののようで、Blu-rayだけを支持する映画会社各社にはHD DVDサポートの動きは見られない。
対立する両フォーマットは、Blu-ray陣営のソニーやHD DVD陣営の東芝など、それぞれが強力な技術関連企業の後押しを受けている。このため、関係各社の幹部や主要なアナリストらは、この規格争いが20年以上前にあった「VHS対Betamax」の再現になることをおそれている。
米映画業界の各社は数カ月前から両陣営に分かれており、ほぼ互角の状況が続いていた。各社はどちらか1つのフォーマットで来年にも高品位DVDをリリースすると述べていた。しかし今月に入って、Paramount Picturesが両方のフォーマットの映画をリリースすると発表したことから、この力関係に変化が生じていた。今回のWarnerの決定で、この流れに拍車がかかることになる。
米国時間19日には、調査会社Forrester Researchが、最終的にBlu-rayが勝利を収めるとする予測を記したレポートを公表した。
ところが、大手コンピュータメーカーのHPもこの日、Blu-ray陣営の各社に対し、HD DVDの一部の機能をBlu-rayにも採用するように訴える声明を発表。この機能の中には、いわゆる「マネージドコピー」機能も含まれているが、これはHD DVDを支持するMicrosoftとIntelにとって重大な懸念となっていたものだった。
マネージドコピー機能が採用された場合、消費者は家庭にあるコンピュータやサーバにDVDの中身をコピーしておき、あとでそれをホームネットワーク経由で家庭内のAV製品やPCにストリーム再生することが可能になるが、コンテンツを別のDVDにコピーしたりオンライン経由で送ることはできない。HD DVDの仕様ではこのマネージドコピー機能の搭載が必須とされているが、それに対しBlu-rayではこれをオプションとしている。
Warnerによると、同社はBlu-ray Disc Associationの理事会メンバーとなるが、HD DVDフォーマットでの作品提供も行う予定だという。各々のフォーマットのディスクと、それに対応したDVDプレイヤーは来年発売されると見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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